朝に歌えば | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある







 
 
 歌ってみたかった
 肺の奥底から出る声で
 古き懐かしき歌どもを

 冬日寒々と朝が来て
 戸惑いがちな歩み止め
 空に向かって呼ぶように

 腹の底から覆(くつがえ)し
 胸の内なる何事か
 風に渡してしまいたく