そを花と言う | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある










 

 花はやがて根に帰りゆく

 その過ぎゆけばこそ花と言う


 夢のごとくに儚くも

 露のごとくに光り居る

 その眩しさを花と言う


 窓辺に倚りて想いやる

 遠き故郷や忘れざる

 己知らずして尚も咲く

 その気高き無知を花と言う













      トルコキキョウの学名は Eustoma grandiflorum
      grandiflorum は「大きな花」だが
      Eustoma はギリシャ語で「良い口」
      この命名も
      トルコ原産でもないのに「トルコキキョウ」と呼ぶ理由も定かではない
      リンドウ科の非耐寒性植物
      「キキョウ」の名はもともとは桔梗の紫色が主であったことからとも言う

      寒さには弱く外観的に成長が停止するロゼット化が起きる
      ロゼット化は植物本来の成長過程で起きるもの
      (この場合 葉や茎は分化して成長を続ける状態となる)を言い
      茎が伸びず葉が放射状に地面に接して広がる形状を呈するが
      トルコキキョウの場合は寒冷によって引きおこされるので
      
植物本来の成長過程で起きるものとは異なり
      温度が上がればロゼット化を脱して目に見える成長を再開する
      また自家受粉を嫌い自家受粉だけに頼っていると
      およそ10代目頃には虚弱化してしまうという
      なかなかに難しい花なのだ