大晦日に花屋と和菓子屋に赴けば人々の列を成し
ただこの明日を祝うためなれども嬉しげに急ぎゆく
一歳(ひととせ)と呼ぶはこの花たちの咲き誇るこのときを言う
ただ咲きて在ることの麗しければ他に言うことはなし
冬空高く翔べる鷺たちも夕べには降りて眠るらん
束の間に飛ぶを休みて憩う年の瀬を知るや知らずや
この夜を特別という意味はなしただの一夜なれども
晦日と人ざわめけば街に出て人の吐く白き息を見ん
刹那ありまた刹那あり幾年(いくとせ)もこの一歳(ひととせ)も
美しき苦しき悲しき刹那あり総てを嘉しと思いなす
人の世のかくて一歳(ひととせ)終わりけり
明日は異なる歳耀きて始まらむ習いなりいざと言う
この習いの中に生きてあり我もかの人たちもおしなべて
在ることは在るだけのことなりと知りてなお
願いあるべし新しき年






