花の無心に | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある











 花の無心に吸い込まれ

 時と我とを忘れれば

 在ると在らぬと分けがたし

 部屋の内なるや外なるや

 花を観て花に見られて

 香のごとくに花匂い来る

 心ここに在らざるをこそ

 ただ生きてあると言うべし

 冬の空気の凍てつける日も