野の笛 | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある

 
  
 夏ふところの竹林で

 かそけき夕暮れに口笛を吹く

 誰も知らない奇妙な曲を

 その意味を知っていたのは僕だけだ

 風に紛れて切れ切れに

 意味は千切れて見えなくなって

 時の彼方に消えたけれど

 誰も知らない奇妙な曲は

 まだ僕の中で鳴っている

 その意味を僕さえ忘れた今もなお

















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