燕
アジサシ
アオサギ
そして

しらさぎ
白鷺
でもシラサギという名をもつ鳥は実はいない
白いサギを総称しているだけだという
大きさやその他の特徴から
ダイサギ
チュウサギ
コサギ
というふうに分けられる
でも大きさから区別するのは
一羽だけでいた場合には困難だ
分類はともかくも
間近に静かに降り立つのを見た
これは実に快い驚きだった
ここにきたばかりの頃
それこそあの昼咲月見草の道を歩いていたとき
頭上を影がよぎり
見上げると白い大きな鳥が
頭上1メートルもないところを飛んでいた
それまで
こんな鳥を直にこの目で見たことはない
しかもほとんど手が届きそうな位置を
羽音さえ聞こえたのだ
しかし
それきり再び出会うこともなく時間が過ぎていた
今日見れば
白さが目に痛いほどだった
長い首
風に揺れて広がる尾羽

水際で何かを探している
小魚か
それにしても
なんと長い首だろう
それから何かを見つけたのか
ほんの一瞬だが静止して
頭を水に突っ込んだ

夕暮れ近くでも陽光のど真ん中に入られると
どうしても暗くなってしまう
敢えて明るく撮るとこのようになってしまった
そのまま対岸まで飛ぶ
餌を探しまわるために移動するのは鳥の習性だが
対岸に着地した嘴をみると
なんと

何やら咥えている
貝のようにも見える
しかし何を考えたのか
そのまま軽く飛び上がると
遊歩道の柵に
まだ咥えたままだ
そして
貝と思えるものを人工的に作られた石畳に叩きつけていたのだ

どうも二枚貝のように見える
そう見えるということは
まだ殻は割れていないのだ
これを三回繰り返し
三回目には貝が十分割れたのか
叩きつけた後で暫くの間つついていた
サギの仲間もこういうことをするのかと驚いた
貝を投げて割り中身を食べる
鋭い野生
水辺の貴婦人と言いたくなるその容姿だが
肉食の鳥であることをまざまざと見せつけられた
いや魅せつけられたと言うべきかもしれない
一部始終を僕は固唾を呑んで見守った
美しかろうとそうでなかろうと
生きるために食わねばならないのは皆同じなのだ
心なしか
目が鋭く思える
この姿
長い首
長い黒い嘴
嘴から目にかけての浅い緑色
さらにはそれが目よりも後頭部よりに伸びているところなど
おそらくはダイサギなのだろう
ダイサギもチュウサギも冬は黄色い嘴で
夏は黒い嘴に変わるという
目の周りの浅緑は婚姻色だとか
恋の季節に備えて食べる
それこそ野生の証
それから二度
合わせて三回水辺の麗人は同じ行動を繰り返した
耳がいいのか
僕がシャッターを切る度にこちらをチラリと見ていたが

大池の中ほどの小さな島の方に悠々と飛び去った
偶然が重なって辿り着いた土地だけれど
この五月下旬の夕暮れ近い二時間余りの間に
これだけの種類の鳥たちの
日々の生き様を垣間見ることができるのを知って
漂流者のように生きてきたけれど
暫くはここに居るのも
何かの縁かもしれない
そんな気がした
それは誰にも予測できないことだけれど
そして明日にもここを去らなくてはならなくなったとしても
この午後は僕の記憶にずっと残ることだろう
飛ぶ者たちが
こんなにも身近に生きている
僕が学べることが多くあるに違いない












