さて続編
まずは下の2枚をよくご覧ください
何でしょう?
「何でしょう?」って
その質問の意味がわからない?
よく見ると白い飛行物体が点々と
レンズのゴミですって?
いえいえ
大きなものは直径5センチはある
小さいものは多分5ミリ程度

そう
知る人ぞ知る
ケサランパサラン
謎の飛行物体
まあ植物の種など
風が繁殖を助けてくれる
といっても花粉ではないので風媒花とは言わないんだろうな
要するに
風に乗って種子を拡散する
蒲公英(たんぽぽ)さんのお仲間ね
でも草とは限らないのか

写真ではほんの少ししか写っていないけれど
それはこの一瞬だから
動画でとればケサランパサランの吹雪
種吹雪?
今まで見たこともない大量飛行だったのは
この日の強風に乗ったせいかな
で
思わぬ僥倖とはこれではなく

いえ
実は鴉でもないのですが
鴉は燕には天敵なのだそうだけれど
この鴉氏
全然燕には関心がなく
近くの畑の土手の上でなにやら軽妙なステップ・ダンス
時には羽まで拡げて
夏の夕方を踊り狂っていた
何をしていたんだろ
なかなかのリズム感だった
さて本題の

いえ
実はこれも本題ではないのだけれど
だいぶ前に紹介した僕の友人
おそらく海鵜だと思うのだが
羽を広げているが飛ぶわけではないようで
僕と同じで
風が好きなんだろう

何を見上げてるかって?
言うまでもなく本篇の主人公の燕たち
ゆうゆうとブイの上で風を楽しんでいると
周りをひゅるるひゅるりと
飛んでいるのをときどき面白そうに振り返る
ここまでも僕と同じで
しかも手を振ってやると

そう
こうやってご挨拶いただけるのである
最初は威嚇かなと思ったのだけど
あっちからこうしてくるときもあって
手を振ってやると
羽をはたはたさせる
もしかしたら人間に飼われていた奴じゃないのかな
この態度
何だか舟の上の鵜匠の風格
鵜が鵜匠
うひょうっ・・・・
さて
海鵜と交歓していたら視野の左端に何やら
おお
これこそ燕
身体の大きさはほとんど雀
それもそのはず雀の仲間
でありながら長い羽
これでも渡り鳥だからね
僕が寄りかかっていた手すりの
1メートルくらいのところに
ふわりと着地

ちらりとこっちを見た
長い羽が風にはためいて
さてせっかくの出会いだが
すぐにも飛び立つという雰囲気で
写真撮るので精一杯
ところがそのファインダーの視野の中
ありゃりゃ
「な 何なんだ?!」と
しばし茫然自失
思わず僕が笑ったら
ぐいと振り向いて

燕って意外にふくれっ面
「見たな??
何か文句あるんかよ
え?」
てな雰囲気で
僕がニヤニヤしてると
「笑うんじゃない!
こう見えても僕は怖いんだぞ!
ほれ
ほれ」
みたいに羽を拡げて見せる
「あ
見てない
見てない
ヘマしたのなんか見てない」と僕
「いいや 見たな
僕だってちゃんと飛べるんだぞ
この風の場合は
こういうふうに羽を斜めにして
尾羽をうまく組み合わせれば
何てことはない
簡単なもんなんだ」
ちょっと凹んだ感じなのが見え見えで
僕が近寄っても気づかないみたいで
風がびゅーっと吹いてくる
羽が膨らんで
「今だ!」と思うのだが
なぜか
こっちを向いて
挙句の果てに
僕の方に向き直って
二三歩近づいてきた
でも
それきりまた離陸準備
「そうだ行け!」
と頭の中で思う僕
と
また振り返って離陸断念
これがのべ20分近く繰り返されて
最後には僕の手の届くところで
言ったり来たり
何なんだよ
なんだか
「こ これでうまく行きますよね」と
先生か親に聞くような目つきだった
まあ怖いのは自尊心の裏返し
マジになればなるほど怖いのさ
生き物なんだから
何度も自尊心の疵
でもそのたびに
自分の力をより正確に見られるようになり
そしてそれ故
落ち着いて生きていけるんじゃないのかな
風に乗ることはそんなふうにして
覚えていけることかもしれない
自分に言うみたいに頭の中で語りかけ
「墜ちた数だけ飛べるようになるものさ」と
言ってもわからない燕に言った
そのとき燕が僕のほとんど顔の下の手すりから
水面に向けて飛び降りた
それから見事な燕返しで舞い上がり
何周かしてから
途中で一緒になったもう一羽と
すぐそばの葦みたいな植物に
仲間かい
それとも
兄弟だっだのか

僕の目に間違いがなければ
こっちを向いてるのがさっきの燕
まだ若かったのかもしれない
ところで
残念なことに僕はすっかり撮るのを忘れてた
よし今度は
僕が君の曲芸飛行を撮りにこよう
帰り道
夕暮れの弱まった光の中で
なお強い風に吹き飛ばされそうになりながら
美しい花たちが
明かりみたいに浮き上がり
溢れるように咲いていた
今夜は
作者不詳の二胡の中華名曲
我願做一只小燕
(燕になりたい)
を横笛にアレンジしたのを久しぶりに吹いてみようかな
ひゅるりひゃらりこと












