四角い球体 | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある


 なんだか今夜は甘いワインが胃に重い

 多くの人は自分の生活に縛られている
 生活のためにということではない

 富んでいようと貧しかろうと
 自分の生活の中で起きたようなことだけが
 世界中の何処においても起きるのだと信じ過ぎるのだ

 愚か者の楽園では神は人殺しの悪魔であるかもしれないし
 例えば僕の人生には
 四角い球体だって存在するかもしれないのに
 それを最初っから在り得ないと考える

 この僕だってきっとそうなのだ

 僕はそんな人たちに憤り
 憤って爆弾を

 両手いっぱいの花の爆弾を投げつける