静かな五月のピアノに寄せて 音だけのために
誰かが書き残していった数行の詩のかけら
そのどれか一行を
あなたが読むときには
そのひとは何処か遠くにいる
一行に含まれた二十余りの音節の
どれとどれをつなげて
何番目にアクセントをおく
あなたの読み方は追憶
それとも明日
ばらばらの言葉をつないで作る一息
そう
それだけが
あなたの今
書いたひとの一息とは違う長さかもしれないけれど
そして思いもすれ違って
いるかもしれないけれど
それでもあなたはまた次の一行を目で追い始める
息の続く限り続く
数行の詩(うた)