眠ってはならぬ | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある


 夜明け

 淡い浅葱色の光が部屋を照らすまで

 眠らずに

 すっとあなたの寝顔を見ていたい

 目を閉じて

 時間が経って

 目覚めたときに

 あなたを
 
 見失うことのないように

 
 目を閉じて

 あなたが見えなくなる束の間が

 永遠ほどの長い時間であると

 感じる

 ただ

 この一夜


 星ひとつ

 瞬くことも許さずに

 あなたの寝息のひと息も

 夜空に逃すことのないように