感情飛行 目を射る稲妻に翼を撃たれ 厚い雷雲に抗って なおも舳先を上げていく船よ この乱流のふるさとはお前の身体 流体の鬱勃たる隆起を受ける腹と 泣きやまぬ風音に共鳴してしまう肺腑 軋み続ける龍骨の奥底に 私は今とこれからのすべてを託し 身を横たえる 轟々と宙を裂いて進む空の船よ 既に帰還すべき港は遠く 今は命のある限り飛び続けねばならない 限られた時を航海する旅団の 満たされることのない渇望と 霧氷のような悲しみよ ひたすらに ひたすらに帆を羽撃かせ 持てる力のすべてをこの一瞬に懸ける