誰も知らない家の 誰も知らない家の どこにも行けない扉を叩いて あなたは告げる とうとうやって来たことを ガランドウの部屋のなか 空気を弾くように あなたの笑い声が谺して 光に踊った 息はずませた窓の辺の 読みさしの本のページを ぱらぱらと動かして 正午過ぎにシンデレラが去ったとき 僕は透明な靴を拾いあげ 丘を過ぎていく風に向かって投げつける 探してほしいと この家のこの部屋の 真空みたいな静けさを満たす 色とりどりのモミジバと 金と銀の木犀の香と あなたなしでは輝かない この世界とを