ダフネ
僕は花を拾いに出かける
撒き散らされた花を
花の国に見捨てられて
父なる雄蕊と母なる雌蕊は折れて
挿し木して偶然に育った
見捨てられた花の
芳(かぐわ)しい花びらを
ダフネ
君は花を拾いに出かける
どこにも咲いていない花を
失われたことに気づかずに
美しい春の日がまだ耀いていると
君は信じようとし過ぎる
君がまだ幼くこれからの命であることと
世界がなおも若いということは
同じではなく
だから
君の探している花はもう咲くことがない
ダフネ
君は拾われた花びら
ほかの何処にも咲きえなかった
つややかな白い肌は甘く
けれど化身して
少年ダフニスのように自らを忘れて
悲しみの絶頂で君は狂い
わからなくなった
救いがたき
無方針な神話