眺望をからかうように
なおやまぬ雨の灰色
力ない日が
板の床に投げる影
形曖昧なまま
わだかまる何かのために
雨の流れる
窓ガラスのように
ティンを吹きつづける
まだ春は届かないのか
ちょうど午後三時きっかりに
空白のポストがことりと鳴る
何も考えるな
思考は雨粒
ガラスを打って流れさるだけだ
音の不思議よ
見知らぬひとの声かと思えば
誘いの言葉にもなる
束の間の言葉
落ちていく声
音だけが躊躇って残った
わだかまる何かのために
雨に支えられている
この城は
降り止むときに
崩れ落ちる約束
ガラス戸を開け放し
雨の模様に
時を預けて
落ちる鳥
思考を消し
時を離れて
逃げ出さぬ訳
知らぬと
偽って
雨やまず
いつまでも
落ちくることを
信じる
我は