エラリイ・クイーンの国名シリーズにはまりそうです。
国名シリーズは9作品。ローマ帽子、フランス白粉、オランダ靴、ギリシャ棺、エジプト十字架、アメリカ銃、シャム双生児、チャイナ・オレンジ、スペイン岬(全部に”の謎”もしくは”の秘密”が付きます)ですが、実は日本を題材にした作品もあるのです。ニッポン樫鳥もしくは日本扇もしくは日本庭園の謎、あるいは秘密がそれです。
しかし、クイーンはこの作品を国名シリーズとしていません。明確にはされていませんが、この作品発表当時の世界情勢が大きく影響していると言われます。この作品が発表されたのは1937年でした。
ハヤカワ・ミステリ文庫の「日本庭園の秘密」の解説で、霞流一さんは「世界恐慌の影響で軍部の力が強大化していた日本は中国に標的を定め、1931年の柳条溝(湖)事件をきっかけに侵略戦争を仕掛け(中略)日本は国際連盟を脱退し、さらにワシントン条約を破棄して軍部拡張に邁進することになる。1936年には国際連盟を脱退したドイツと防共協定を結び、翌年はこれにイタリアも加わり、後の三国軍事同盟の基盤を擁した。そして、ついに日華事変が起こったのが、この1937年であり、(再び中略)この時期には、いくら親日家のクイーンといえども日本を美化するようなタイトルを付けることに抵抗と躊躇いがあっただろう」と書いています。
国名シリーズには、その国の名産的?な物が話の要になっているだけで、タイトルとなっている国は関わっていないのが特徴なんですが、「ニッポン樫鳥」もしくは「日本扇」もしくは「日本庭園」には作品中に、外人によるありがちに誤解された日本観ではあるのですが、日本が満ち満ちているのです。
霞さんは「本書こそが国名シリーズ以上に、いや、国名シリーズの中で最も克明なる国名ミステリなのである」と書いています。
読書嫌いな僕が本を読むためには何か変なwきっかけが必要なんですね。クイーンの国名シリーズが世界情勢に連動しているとなれば、読まずにはいられないでしょうね。
ちなみにクイーンの国名シリーズは、1929年(張作霖爆殺事件の翌年)の「 ローマ帽子の謎 The Roman Hat Mystery」を皮切りに以下のような発表年になっています。
1930年(浜口首相東京駅にてピストルで撃たれ重傷)「フランス白粉の謎 The French Powder Mystery」
1931年(日本軍、満州侵略開始) 「オランダ靴の謎 The Dutch Shoe Mystery」
1932年(日本国内で暗殺事件多発) 「ギリシア棺の謎 The Greek Coffin Mystery」
1932年 「エジプト十字架の謎 The Egyptian Cross Mystery」
1933年(ヒトラーが政権掌握) 「アメリカ銃の謎 The American Gun Mystery」
1933年 「シャム双生児の謎 The Siamese Twin Mystery」
1934年(満州国にて帝政実施。執政溥儀が皇帝に) 「チャイナ橙の謎 The Chinese Orange Mystery」
1935年(ナチス・ドイツにおいてニュルンベルク法制定。美濃部達吉が天皇機関説のため不敬罪で告発) 「スペイン岬の謎 The Spanish Cape Mystery」
1937年(前年に226事件あり。盧溝橋事件) 「ニッポン樫鳥の謎 The Door Between」
以上でやんす。
国名シリーズは9作品。ローマ帽子、フランス白粉、オランダ靴、ギリシャ棺、エジプト十字架、アメリカ銃、シャム双生児、チャイナ・オレンジ、スペイン岬(全部に”の謎”もしくは”の秘密”が付きます)ですが、実は日本を題材にした作品もあるのです。ニッポン樫鳥もしくは日本扇もしくは日本庭園の謎、あるいは秘密がそれです。
しかし、クイーンはこの作品を国名シリーズとしていません。明確にはされていませんが、この作品発表当時の世界情勢が大きく影響していると言われます。この作品が発表されたのは1937年でした。
ハヤカワ・ミステリ文庫の「日本庭園の秘密」の解説で、霞流一さんは「世界恐慌の影響で軍部の力が強大化していた日本は中国に標的を定め、1931年の柳条溝(湖)事件をきっかけに侵略戦争を仕掛け(中略)日本は国際連盟を脱退し、さらにワシントン条約を破棄して軍部拡張に邁進することになる。1936年には国際連盟を脱退したドイツと防共協定を結び、翌年はこれにイタリアも加わり、後の三国軍事同盟の基盤を擁した。そして、ついに日華事変が起こったのが、この1937年であり、(再び中略)この時期には、いくら親日家のクイーンといえども日本を美化するようなタイトルを付けることに抵抗と躊躇いがあっただろう」と書いています。
国名シリーズには、その国の名産的?な物が話の要になっているだけで、タイトルとなっている国は関わっていないのが特徴なんですが、「ニッポン樫鳥」もしくは「日本扇」もしくは「日本庭園」には作品中に、外人によるありがちに誤解された日本観ではあるのですが、日本が満ち満ちているのです。
霞さんは「本書こそが国名シリーズ以上に、いや、国名シリーズの中で最も克明なる国名ミステリなのである」と書いています。
読書嫌いな僕が本を読むためには何か変なwきっかけが必要なんですね。クイーンの国名シリーズが世界情勢に連動しているとなれば、読まずにはいられないでしょうね。
ちなみにクイーンの国名シリーズは、1929年(張作霖爆殺事件の翌年)の「 ローマ帽子の謎 The Roman Hat Mystery」を皮切りに以下のような発表年になっています。
1930年(浜口首相東京駅にてピストルで撃たれ重傷)「フランス白粉の謎 The French Powder Mystery」
1931年(日本軍、満州侵略開始) 「オランダ靴の謎 The Dutch Shoe Mystery」
1932年(日本国内で暗殺事件多発) 「ギリシア棺の謎 The Greek Coffin Mystery」
1932年 「エジプト十字架の謎 The Egyptian Cross Mystery」
1933年(ヒトラーが政権掌握) 「アメリカ銃の謎 The American Gun Mystery」
1933年 「シャム双生児の謎 The Siamese Twin Mystery」
1934年(満州国にて帝政実施。執政溥儀が皇帝に) 「チャイナ橙の謎 The Chinese Orange Mystery」
1935年(ナチス・ドイツにおいてニュルンベルク法制定。美濃部達吉が天皇機関説のため不敬罪で告発) 「スペイン岬の謎 The Spanish Cape Mystery」
1937年(前年に226事件あり。盧溝橋事件) 「ニッポン樫鳥の謎 The Door Between」
以上でやんす。