「嘘を誠にする」世説新語より

曹操は自分が暗殺される事を恐れて常に「私は予感力に優れているので、誰かが暗殺を企てれば私には必ずわかる」と言っていた。しかし、みな「嘘に決まっている」と陰口を言った。

曹操はある日、一人の小者を呼び「刀を懐に忍ばせて私に近づけ。私は胸騒ぎがすると言ってお前を捕らえさせる」と言った。つまり小物を使って自分の予感力を周知させようとしたのだ。曹操はさらに「お前には後で褒美をやるから、捕らえられても私の差し金である事は黙っているように」と小者に耳打ちした。

翌日、曹操は「胸騒ぎがする」と言うや、かの小者を捕らえさせて懐を調べさせ、刀が見つかると、その場で側近に「斬り殺せ」と命じて小者を殺してしまった。

それ以降、家臣たちは曹操の予感を信じて誰も謀反を企てる事はなかった。



「曹操の詭計(きけい)」

曹操は「私が寝ているときには近づいてはならぬ。自分で気づかずに睡眠中に人を殺してしまうから」と常々言うのですが、あるとき曹操が眠ったふりをしていると側近が曹操に布団をかけてやった。曹操はすぐにその側近を斬り殺した。以来、曹操の就寝中は誰も近づこうとしなかった。

曹操とはそういう人間である。