4月21日、僕は知人に会うため、茨城県の水戸まで出かけた。知人に会うのは30年ぶりなのだった。知人というのは20代前半の時代に二子玉川にあったレコード屋でバイトしていた時の先輩で、現在は水戸で広告代理店兼出版社を営んでいる。知人の中では、いわば成功組のひとり。といっても、僕以外はみな成功しているのだがね。現地では同じバイトの先輩だったB級パラダイスバンドのリーダーとも待ち合わせている。リーダーは川崎の溝の口に住んでいるが、元々ご先祖様は水戸藩士だったらしいのだ。ゆえに先祖代々の墓が水戸にあって、ひと足先に水戸に行って墓参りをしているから到着したら呼んでくれと言う。

さて、交通費がもったいないので各駅停車でゆるりと常磐線に揺られて2時間。水戸に到着したら、溝の口の先輩も墓参りが終了したらしく、こっちへ向かうと言う。同じくしてfbで30年ぶりに会う知人からも連絡があり、駅まで迎えに来てくれたらしい。さっそく、リーダーに電話して「今から墓まで迎えに行く」と連絡する。

車中では30年ぶりの再会を祝して、その時間を埋めるべく会話に花が咲く。花が咲くのは会話だけではない。リーダーの菩提寺には4月も終わりだというのに満開の桜の木が数本あって驚いた。

なんという偶然。なんという奇跡!水戸黄門の格さんのモデルの人物など有名な水戸藩士たちが眠るお墓には血を吸ったような櫻が僕を待っていてくれたのである。

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東日本大震災では水戸もかなりの被害を受けたようで、墓石や石灯籠が1年経った今でも転がったままだ