脳梗塞が進行し全身が動けなくなって話もできない母の姿は兄には耐えられないのだろう。

 

兄は私と同じ感情だと言います。そして「穏やかに、安らかに」という思いは共通していると言います。

 

しかし私と兄と決定的に違う点は兄はもう「早く」逝ってほしいと思っているというところです。

 

昨年8月に母親に脳梗塞の兆候が出た時に一刻を争うのに病院へ連れて行こうとしませんでした。そこで私が「救急車を呼んで」と言い病院で脳梗塞が判明したわけです。

 

その時私は「兄ちゃん夫婦に任せていたらお母さんは殺される」と言いました。兄は「そんなひどいことを言うか」と言いました。

 

その時は入院直後は右手は動かなかったのですが早期治療とリハビリのせいで右手は普通に回復しました。

 

最初右手が動かなかったときに兄は「そんな右手が動かないなんてかわいそうすぎる」と言っていました。そしてその時にさっそく私に葬儀の話をしだしたのです。でも母親は回復したのです。

 

兄はアブノーマルなのを嫌います。半身不随というのはアブノーマルな姿なので耐えられないのです。

 

そこが約10年ずっと母親と時間をを過ごし、そして体が弱くなってきた母親の面倒を見てきた私と兄との違いなのです。