母親は今全身に湿疹が見られます。頭部、耳、顔、首、背中、胸部、腹部、両手両腕、両脚、両脛、鼠径部などです。常にどこかを掻いています。

 

それぞれ別の薬を塗布するのですが、これが大変なのです。でもいくら薬を塗っても、薬が効く前に搔き始めます。

 

両上腕部は掻きむしって皮膚がめくれます。その場合は消毒し、ゲーベンを塗ります。医師はガーゼを当てるように言いますがそれではすぐにはがれるので、パッド型のばんそうこうを貼ります。それでも掻くのでパジャマやシーツが血だらけになります。

 

もし手術でもしていれば果たして身体中にチューブがつながれている状態に耐えることができるかどうか。おそらく身体拘束をしなければならないでしょうけど、そうなると認知症が進展するかもしれない。

 

しかしこの状態がますます進行するとどうなるのだろう。母親は今、実際に生活を楽しむことはできないのです。テレビを見てもほとんど聞こえないですし、ストーリーは理解できません。

 

痒い所を掻くことはある意味気持ちの良いものです。だから掻くのかもしれません。