ノースライト (新潮文庫)  ノースライト   横山 秀夫


  いくつかの謎が積み重ねられ、何か恐ろしいことが待っているのではとドキドキしながら読み進めましたが、最後は切ない中にも希望の持てる着地でした。

 建物の設計を中心に、依頼者、家族、事務所の仲間の人間関係、そして実在したドイツの建築家タウトの思いや作品が絡み合って、おもしろく読み応えのある作品です。警察官の登場しない、こんなミステリーもあるのですね。

 タイトルの「ノースライト」。画家は直射日光の入らない北側の窓を好むと聞いたことがあります。この季節、ちょっと寒々しい感じがしますが、影を作らないやさしい光なのでしょう


平場の月 (光文社文庫)  平場の月   朝倉かすみ


   自分で選び歩んできた道のりなのに、人はなかなか幸せだと思う場所にたどり着けません。やっとたどり着けたと思ったのに、指の間から落ちていく砂のように、握りしめることのできないまま消えてしまいました。ささやかな、ささやかな「夢のようなこと」は、夢のまま遠くへ去ってしまいました。

 こんな愛の形もあるのだと、男の思いも女の思いも悲しすぎて、感想を書いている今も切なくなります。



みんなのふこう 葉崎は今夜も眠れない (ポプラ文庫 わ 3-2)  みんなのふこう 葉崎は今夜も眠れない  若竹 七海

 
  久しぶりの若竹さん。凝った手法でまた新しいチャレンジ?

 この不幸の行き着く先はどんなダークなところだろうと変な期待を持ちながら読み進めましたが、ダーク…ではありませんでした。

 探偵葉村晶並みに怪我や不運に見舞われますが、こんな惨状でも生きていられるのは、ある意味ラッキーかもしれません。巻き込まれる方は大変なので、善人のいる場所ではなく、作中に登場するような怪しい教団のようなところにいてもらう方が世のためになりそうです。

 続編も楽しみですが、できれば葉村晶に会いたい!


岸辺のふたり―Father and Daughter  岸辺のふたり―Father and Daughter

          マイケル・デュドク ドゥ・ヴィット


 「別れからはじまる小さなものがたり…」

 言葉少なに淡々と語られるできごと。でも、一言一言に長い時間と深い思いがこめられていて、喜びは控えめに、悲しみは静かに胸に伝わってきます。

 女性は老いてもなお「少女」と呼ばれます。大切な父を思うとき、女性の心はあのときのままなのでしょう。最後に父のいる世界へ旅立ったときも少女の顔でした。

 黒と茶を中心に描かれた絵の中で、空はどこまでも広がり、光や風はあたたかく少女を包み込んでいて、こんな美しい世界でこんな大切な思いを抱いて生きているのだと、人がとてもいとおしくなります。

 


三千円の使いかた (中公文庫 は 74-1)  三千円の使いかた   原田 ひ香


  お金を柱に家族や人との関わりについて書かれたおもしろい作品でした。あまりお金に縁のない身としては、反対にお金のことから目を背けてしまいがち。でも、背けたままでは、今も老後も資金が足りない!という状態になってしまいます。もうしっかり老後の身ですが。

 この作品に登場する家族も、それぞれお金のことで悩みますが、

「節約は人が幸せになるためのもの。それが目的になってはいけない。」

と気づきます。他にもっと大切なものがあるはずと。

 老後はともかく、今困難な状態の人には労働に見合った賃金が公平に支払われ、少しでも明るい気持ちで暮らせるといいですね。

 

三毛猫黒猫オッドアイ猫

 

 

ぎっくり腰の原因となったお騒がせ猫

その後も思わず悲鳴をあげてしまうようないたずらを繰り返しています。

シクラメンの花を嚙みちぎり 花瓶を倒し 紙類も嚙みちぎり

我が家にはとうぶん花は飾れません。

(ページ上の花は娘の家のもの)

 

里親さん希望もなく、あってもすぐに戻されるでしょうから

落ち着いた猫になるまで残留です。なるのかしら?

 

捨ててもいいの?

 

 

腰はかなり良くなりました。でも、完治はしないようです。

腰ともこのやんちゃ猫とものんびりつきあっていくしかありませんね。