4月の読書
喜嶋先生の静かな世界 The Silent World of Dr.Kishima 森 博嗣
大学で出会った喜嶋先生。「研究の王道」を進み続けるその先生に惹かれた主人公が、研究のすばらしさと先生の魅力について語ります。
科学とはかなり遠いところにいるわたしでも、あゝそうだよなと共感し、登場人物それぞれに好感が持てて心地よい作品でした。名誉や評価のためではなく、ただ研究することがおもしろくて没頭する。研究以外のことで時間や労力を消費したくない…。
そんなふうに生きる先生に愛情を感じた人がもう一人。でも、最後にその人が幸せになれなかったことが何だか引っかかっています。凡人の尺度ですね。
鍼灸師ナユタと不思議な力を持つ少女円華が、自信を無くしたスポーツ選手や子供の事故で崩壊していく家族に再び希望をもたらす物語。
2章目まで読んでこのパターンが続くのかなと思っていたら、3章目から気持ちがざわつき閉じられなくなりました。ナユタにこんな秘密がかくされていて、円華がこんなふうに関わっていくとは。
「胎動」とあるので、続きがあるはずと期待したら、先にその続きらしきものが出版されていたのですね。「ラプラスの魔女」。こちらの方にも東野氏の、誰かの生きる希望でありたいという思いがこめられているのでしょうか。
父親の遺したアパート「花桃館」の管理人になった40代の茜。想像していたのとは少し違って、いろいろな住人に振り回されるスタートでしたが、こんな仕事もいいかな、と楽しくなる作品でした。なんせ、アパートを離れがたいやさしい幽霊の住人まで登場するのですから、いいアパートですよね。
茜自身も自分のこれからの人生をどう生きればいいのか迷っていて、先輩読者としては、背中を押してあげたいような引き止めたいような複雑な気持になりました。
『花が大事か実が大事か。地下茎だって大事。』人の幸せはそれぞれってことですね。
「魔力の胎動」と繋がる作品ということで気になって読み始めたら、閉じられないおもしろさでした。
以前、脳に関する本を読みましたが、脳はかなり未知の世界なのだなと感心したことを思い出しました。とてもデリケートでミクロなものも、膨大な宇宙のような大きさのものも詰まっています。そしてこの作品にあるように、美しいものも悍ましいものも詰まっています。
いつか、こんなふうに人の脳を操作する時代が来そうですが、予測通りにはいかないのも脳の(心の)未知なる部分。どんな方へ進むのか、きっと次の物語があると楽しみに待つことにします。
警察小説は入れ物。今野敏の言葉ですが、本当にそうだなと実感させられる作品でした。
様々な分野で評価や好感度の高いスウェーデンですが、重く暗い部分もたくさん。そういう部分を書ける表現の自由もあるということでしょうか。
25年前に起き、もう時効となった少女の暴行殺人事件を、脳梗塞で倒れた元犯罪捜査局長官が鋭い視点で解決していきます。その過程に絡められた、家族関係、小児性愛、移民、暴行、ロシアの孤児院の話までの多岐にわたる問題。その悍ましさと対峙する主人公の芯の強さに感心しながら読み終えましたが、この解決法でよかったのか、この終わり方でよかったのかと読後感は複雑。
ヤクザの暴力シーンは想像するのもつらい描写でしたが、その残酷さの倍くらい笑わせてもらいました。精神科病棟での非人道的な治療の描写もひどかったけど、そこにもユーモラスで温かい表現がたくさん。
狂暴だった主人公が、最後に一番まっとうな人間に代わっていったのですが、きっかけが治療なんかではなく、小さな女の子のくったくのない笑顔だったというところが荻原さんらしいですね。荻原さんの愛をたくさん感じさせてもらえる作品でした。
桜井一恵さんの刺繍(ポストカード)
みなさんはLINEを使っていますか。
わたしは家族と親しい友人限定で使っています。
(友人に、家族以外とは使わないというルールを決めてぃる人もいますが。)
中学生になった孫がスマホを使い始め、LINEもしています。
先日、「明日の部活は何時から?」と送ったら
「1」と返信が…。
若い人のLINEが短い言葉のやり取りだとは聞いていましたが
さすがにこれは省力のし過ぎでしょう。
「1時から。くらいは書いて。」
と送ったのですが、ちゃんと伝わっているのかな。
おばあちゃんの言葉はブロックされているような気がします。
ちなみに、わたしと妹や友人たちとのやり取りは
長~い長いお手紙のようです^^;。






