年齢のせいか暑さのせいか、たくさんは読めませんでしたが

今月も心動かされる本に出合えました。

とくに心に残ったのは、ナイジェリア出身の作家が書いた「半分のぼった黄色い太陽」。

アフリカの女性が恋愛や戦争を軸に人々の日々の暮らしを描いたもので

考え方、言葉の力に感心しながら読みました。力強い作品です。

 


半分のぼった黄色い太陽半分のぼった黄色い太陽  チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ

 

 物語の舞台はビアフラ共和国、1967-1970の3年間だけ存在した国です。その3年間はちょうどわたしの高校時代と重なり、ビアフラの子どもたちのやせ細った足と膨らんだお腹の写真を見て衝撃を受けたことを思い出しました。

 数百万人が餓死したとも伝えられ、悲劇のイメージだけが残っていましたが、当然そこには人々の暮らしがあり、家族や恋人への愛情、友情があり、民族の伝統や誇り、そして葛藤もあります。日常のすぐ隣にクーデターがあり、戦争があり、賢明さも醜さもあり、それらがていねいに描かれた重厚な作品でした。タイトルの半分のぼった太陽は、結局のぼりきることはありませんでした。

 


償いの雪が降る (創元推理文庫) 償いの雪が降る   アレン・エスケンス

 

 書店に行くたびに美しい表紙とタイトルに惹かれて手に取り、背表紙のあらすじを読んで残酷さに耐えられないかもとまた戻し…。数か月繰り返して思い切って読み始めたら、惹きこまれて一気読みでした(3日かかりましたが)。

 散りばめられたピースは重くつらいものばかりでしたが、主人公が、よくぞここまでと感心するほど賢明でけな気で、主人公を助ける恋人や警官たちも誠実で、読み終えて爽やかな気持ちになるほどでした。とくに弟への愛情と互いの信頼関係に心が温まりました。

 ベトナム戦争の悍ましさは、これまでも活字や映像で目にしていましたが、兵士の心にもこんなに傷を残すのだと改めて思い知らされました。

 

 

琥珀のまたたき (講談社文庫) 琥珀のまたたき   小川 洋子

 

 人の心はどこまで自由に広がり、そして自由に閉じることができるのでしょう。その心を、琥珀色の左目に大切に入れて生きた少年。世界も心も少年の左目の中にあり、ときを経ても何も失われてはいない。そこにいてほしい人はいつも静かにそこで微笑んでいる…。

 そんな小石がわたしの中にもひっそりと埋もれていてほしいと思う、小さな悲しみと深い喜びに満たされた物語でした。

 小川さんの物語を読むと、普通なら幸せに思えない世界が、ある人にとってはとても居心地のいい世界なんだと気づかされることがあります。外側から眺めるのと内側から眺めるのとの違いにも。不思議な世界を静かに存在させる作家です。

 


凍結捜査 (集英社文庫) 凍結捜査   堂場 瞬一

 

 シリーズ1冊目「検証捜査」の陰湿で気の重くなるおもしろさが好きでした。以来読み続けているのは、ミステリーとしてのどきどき感だけでなく、検証捜査のメンバーが少しずつ絡み合い助け合っている、そのチームワークに惹かれてです。知恵だけでなく、ときに体を張っての連携に今回はプラス恋愛。

 事件も戦後にまで遡り、ロシアマフィアや新しい警察の捜査部署が関係して、納得のいかない結末でした。そんな時代なんでしょうか。ひょっとして次作は国際捜査? ついていけないかもしれません。



優しい音楽<新装版> (双葉文庫) 優しい音楽  瀬尾 まいこ

 

 3話の短編集。タイトルの通り、優しい物語でした。どの話も始まりはちょっと危ない感じですが、着地はとても爽やかです。悪意がないというのはこんなに幸せなことなんだと、また改めて考えさせられました。

 違う環境で育った人と親しくなれるのは楽しい。違う考え方も受け入れてみれば、自分や自分の暮らしが少し変わるかもしれない。そんなおおらかさがいいですね。不倫相手の妻と子どものために一肌脱いだ深雪さんがかっこよかった!
 

 

 


かぜは どこへいくの (世界の絵本)  かぜは どこへいくの (世界の絵本)  シャーロット・ゾロトウ

 

 『おしまいに なってしまうものは、なんにもないの。べつのばしょで べつの 

  かたちで はじまるだけのことなの。どんなものでも。』 

おしまいにならないのは、お母さんの愛情。

          世界がこどもたちに贈るやさしい想い。

虹

 

67才の夏がこんなに忙しいとは…。

毎日仕事に出かけている人から見ると忙しいうちには入りませんが

老後をのんびりと、と思っていた身からすると予想外の1ヶ月でした。

 

忙しさのもとは、夏休みの孫と猫たち。

我が家の場合、2学期が始まってホッとしたのは、母親よりおばあちゃんかも^^;。

 

悲しいできごとが一つ。

病気で里親探しができないからと保護団体から預かった子猫が

空へと旅立っていきました。

預かって3週間、ほぼ一日おきに病院で注射をしてもらっていたのですが

明け方に静かに旅立っていきました。

多分、まだ8ヶ月くらいだったでしょうか。人懐こくてかわいい男の子でした。

名前はなっくん。

病気で走り回ることもできませんでした。

 

  なっくん、忘れないよ。  空の上で元気に遊んでね。

 

うれしいこともありました。

娘と同じくらいの年齢の友人ができたのです。

娘とは仲良しですが、思っていることを全部言えるわけではありません。

母親としての立場もあり、遠慮もあり…。

でも、なぜかその友人には今まで誰にも言わなかったような心の澱を話していました。

相手には迷惑な話ですが…。

 

残念なことに一度しか会えず、友人は南の島へと新天地を求めて行ってしまいました。

もう店じまいをするかのようなわたしの生活。

これから新しいことを始める若い友人が羨ましくもありますが、きっと大変なことも多いはず。

健康を祈って、カンパイ! 

 

  画像が横になることに関してはもう居直っています。