どんな時代にも、ちょっと枠からはみ出して、周りをはらはらさせながら元気に生きている女性はいるものですね。町人文化のおおらかさでしょうか。
闇もあるけど、知恵と情で明るく進んでいく主人公の姿が、宇江佐さんの生き方と重なります。なでしこちゃんと呼ばれるくらいかわいいのに、胸の中で思い切り悪態つくところが楽しい。毎晩湯呑でお酒を飲んでいるところで、宇賀アナの顔が浮かんでしまいました^^。
4年生の孫が「読んでみて」と貸してくれました。この本を読んで孫がどんなことを思ったのか、そちらの方が気になりましたが、全部おもしろかった!と言うので深追いせずにおきました。
家族、恋人、友だちへの思いについて考えさせられる場面もありますが、執事の猫が賢くてかわいくて癒されます。イケメンの魔法使いがシビアなのもいいかもしれません。
外で生きる猫たちの暮らしは厳しい…。でも、どの猫にも個性があり、それぞれの物語があり、その物語に思いをはせると、ますます猫が好きになります。
体全体で何かを伝えようとしていて、その仕草や表情の愛おしいこと。悲しい猫からは言葉にならない悲しみが、のんきな猫からはほっとするような温かさが伝わってきます。外で会う猫たちとずっとお話ししたくなります。
ちょっとだけ困ったことにテレビドラマを見ていたので、主人公杉村氏の顔がずっと小泉孝太郎でした。「希望荘」というタイトルと一話目がそれほど怖い内容ではなかったので、このまま行くのかなと思っていたのですが、読み進めるうちにぞわぞわっとしてきました。
知られたくない過去、すぐそばににある犯罪、貧困が生み出す憎悪や悲しみ。平凡に見える人間がふと吐き出す毒や陥る闇は、やはり宮部作品ならではの怖ろしさとおもしろさです。光の照らす社会と影になる社会をつなぐ杉村氏の、影にいる人々に向けるやさしいまなざしがいいですね。
友情 平尾誠二と山中伸弥「最後の一年」 山中 伸弥,平尾 誠二・惠子
二人の考え方、生き方に感動し、山中先生が平尾さんを助けようと治療法を考えたり言葉をかけたりする場面では涙がこみ上げてきました。どんなに生きたかったか…。そして、どんなに助けてあげたかったか…。
人生は不条理だけど、その中で懸命に、まっすぐ生きた平尾さんの残したものは、ずっと人々の心の中で輝き続けるはず。「助けてあげられなくてごめん。」 大切な人を亡くしたとき、人が必ず抱くその思いをバネに、中山先生の研究がぜひ実を結びますように。
子どもと人形。それは遊び相手でもあり話し相手でもあり、いっしょの時間を過ごしながら感情移入してしまいそうです。お互いに。
互いの思いが通じ合ったときに開かれるもう一つの世界へ、りかさんが連れて行ってくれました。主人公ようこは、本当はリカちゃん人形ともっと明るい世界に生きたかったようですが。人のそばにいる限り、市松人形にも青い目をした人形にも、人と同じようなできごとが起こり、喜びも悲しみもあるのでしょうね。桜染めをしているときにおばあちゃんがつぶやいた言葉。「ようこは媒染剤みたいな人になれるよ。」 梨木さんの作品には、ようこさんに似た人がよく登場している気がします。
フジ子ヘミング II ピアノがあって、猫がいて
ピアノと全く縁のない生活。ピアノを弾く友人が、フジコさんのノクターンが好き!といつも言うので、図書館で探してみました。いやいや、普通、曲の方を聴くでしょうと言われそう。
薄くて雑誌テイストの本。、ちょっと物足りない感じですが、フジコさんが音楽はもちろん、人も動物も自然も大好きで、やさしくまっすぐな人だということが伝わってきました。 「演奏でまちがったっていいじゃない。機械じゃないんだから。」
ねこばあさんことでんこさんの家で暮らす猫たちの、ちょっと不思議で楽しいお話です。猫たちがいきいきしていて個性的。そして、とても賢いんです。日々ねこをかわいがりながら、こんなすてきな物語を創り出すなんてと、ただの猫好きばあさんは感心してばかりでした。
実はわたし、このでんこさんと知り合いなんです。いなくなっていた猫が何年かたって帰ってきたのよ~と聞いていたのですが、そのできごとがとてもほのぼのとした「プレゼント」に。猫たちのおしゃべりと、猫たちを呼ぶでんこさんのやさしい声が聞こえてきそうな6話の短編集です。
中島たい子さん3作目。書店でじっくり見て買っているからか、3作ともわたしの体質に合っていました。院内カフェ。西洋医学の病院内にあるカフェですが、その雰囲気はどことなく漢方的。薬ではなく気持ちのありようが体にも影響を及ぼしているのでしょう。ここのコーヒーは体にいい!と信じている男性。わかります。わたしだって、病院内で出されるものは少なくとも体に悪いはずはない、と思っていますから。
登場するどの人も重いものを抱えていますが、そこは院内カフェ。少しの間だけでもここで心を軽くしてくださいと、やさしさが沁みてきます。
ここ数年 桜を見ないふりして歩いてきました。
今年は自然に目が向けられるようになりました。
季節がめぐります。







