さぁ翼よ、筑波山へ行こう! (その3) | 釣り師風来坊のつれづれ日記

さぁ翼よ、筑波山へ行こう! (その3)

これまでのお話


私は、飛び出して迷わず北のポイントにつける

バリオが軽く鳴り出す

旋回に入るが半分回したところでバリオが鳴り止む


ん!?

もっと前?

少し前に出して探ると再びバリオが鳴り出す

+2m/秒

いける

直ぐに旋回に入る


一周回したところで、バリオの音が更にあがる

+3m/秒

掴んだ

サーマルのコアに入ったのだ


もう逃がさない

あっという間にトップアウトした

眼下にT.Oを見たとき思わず

「キタキタキタキタァ~ヤッタゼ!」と叫んだ

この時T.OにいたOさんは、私の雄たけびを聞いて笑っていたそうだ


冬のこの時期のサーマルは、7~800mまでは大人しいのだが、この日はまるで春のようなサーマルだった

+4~6m/秒で上がるが外せばキャノピーが叩かれる

前触れもなしに、-1m/秒から+4m/秒で突き上げられる


頭の中のスイッチは完全に切り替わっていた

荒れたコンディションでの恐怖感を克服するには、頭の中がモードになりブレークコードを操る手はキャノピーを一体にならなければならない

愛機はとても素直なハンドリングで、私の期待を裏切らない

こんな時こそ手足のように動いてくれる


高度は一気に1000mを超えた

雲底まではまだ1000mある

上げるだけ上げてやれ


バリオの音は激しい断続音に変わり悲鳴を上げだした

+5m/秒を超えた

どんどんあがる

対地高度1800mを越えたあたりからキャノピーが突然叩かれて半分潰れた

私は、前兆も掴んでいたので、潰れると同時にブレークを引き込んでいた

潰れきったところでブレークを戻す

キャノピーは何事もなかったように戻る

飛行姿勢は全く変わらない


頭の中は、次のアクションに切り替わっている

無意識にサーマルを探す

まだ上がるはず

突然+5m以上のサーマルに突き当たる

体は、考えるよりも先に反応して旋回に入る

一気に1980m(海抜2040m)まで上がった

雲の中に入りそうになったので、これ以上の上昇は諦めサーマルから抜ける

この時叩かれることがあるので、気を抜けない

キャノピーが暴れるのをなだめながらサーマルを抜けた


その4へつづく