彼らはボウイのファンなんだ… | へっぽこハンター日記

へっぽこハンター日記

新米ハンターのコトワがハンティングした音楽、映画、書物や芸術一般について語ります。

『ホーンズ』観ました。

旧作につき、ネタバレあります。

 

恋人のメリン(ジュノー・テンプル)が殺害され、

容疑者にされてしまったイグ(ダニエル・ラドクリフ)。

 

マスコミに追われ、町の人々、メリンの父親、果ては実の家族までも、

イグが犯人だと信じて疑いません。

 

そんなある日、イグの頭から突然角が生えます。

次第に大きくなっていくその角を見ると、

周囲の人は胸の内に秘めた欲望や真実を洗いざらい喋ってしまいます。

(角が見えなくなると、

角のことも、真実を喋ったことも忘れるという不思議機能つき!)

 

イグはこの力を使って、真犯人を突き止めようとします……

 

 

ちょっと変わったダークホラーファンタジー映画でした。

 

角を意味する「horn」という単語が由来の「horny」という形容詞は、

「欲情している」という意味で、

これはたぶんギリシャ神話のサテュロスから来てると思われます。

 

サテュロスは上半身が人間で下半身がヤギで、

頭に角の生えた精霊なんですけど、

まあとにかくスケベなんですよね。

 

だからか、この作品でも角によって告白される内容はエッチ関係が多い。

はー、こんな告白、聞かされたくないw

(;^ω^)

 

急に喋りだすから「なんでそれを僕に言う?!」となるイグ、

気の毒でしかない……

 

 

なぜイグに角が生えたのかについては、

特に説明もなく、ようわからんのですが、

昔から家族の中でも微妙に浮いていて居場所のなかった彼が、

こんな目に遭うの、ちょっと酷すぎるよね……

 

メリンの十字架のネックレスをつけると見えなくなるということは、

善良なものではないっぽい……

後半かなりな数の蛇も登場して、

やっぱり悪魔の力なんだよね……

 

 

相手に言うことを聞かせる能力もあって、

押し寄せたマスコミに、

「この中で戦って勝ったものだけに独占インタビューさせる」と言うと、

殺しあいをはじめる記者たち……

それを尻目に立ち去るイグに、

Depeche Modeの『Personal Jesus』がかかる……

たまらん!このシーンが一番好きでした。

(≧▽≦)アハハ

 

 

真犯人はわりとすぐ想像がつくんですけど、

こう……スッキリ終わらないんですよね。

 

大事なことは、冤罪を晴らすことだと思うんですけど、

イグは犯人への復讐を優先させてしまう。

 

たしかに真犯人が裁判で裁かれたってメリンは戻ってこないので、 

それよりも真犯人を殺してやる!という気持ちになるのは、

わからなくもないけど、

でもさんざん自分を犯人扱いした連中に釘を刺さなくていいのか……

 

メリンのお父さんさえ真実を知ってくれていれば、

それでいいというスタンスでした。

それもわからなくもないけど……

 

ほんま、イグの両親が全然信じてくれないの、

キッツいわあ……

なんであんなんなんやろ、あの家族……

 

あと、この界隈の男どもがみんなメリンに気があるのも気持ち悪かった。

特にイグの父親……マジでキモい……

(。・`з・)オエー

 

そうだ、真犯人はイグの蛇に巻き付かれ、刺し貫かれて亡くなるんですが、

その様子があきらかに性的暴行をほのめかしていて、

性犯罪の復讐で性犯罪されるっていうのはいいねと思いました。

現実はなかなかそうはいかないからさ……

 

 

日本の性犯罪の刑罰が軽すぎるということはけっこう有名で、

外国だと一生刑務所に入るレベルでも、

日本だと数年でシャバに出てくる(なんなら執行猶予つく)とか。

 

先日、縛られて乱暴されそうになったので二階の窓から飛び降りて逃げて、

障がいを負ってしまった女性の事件の裁判で、

結局性犯罪には至っていないし、

逃げて負った怪我の責任は問わないとかで、

犯人の刑罰を軽くするというめちゃくちゃな判決が出て、

僕のTwitterのタイムラインが紛糾しましたね……

正気か?おまえら?

( ゚皿゚)オウ?

 

自分が被害者になる可能性のない犯罪、

もしくは自分が加害者になるかもしれない犯罪にめちゃくちゃ甘いという、

男性中心の刑法、マジで変えないといかんでしょう。

変えてはいかん憲法を変えようとしてる場合ちゃうで!!

(*`Д´*)ゴルア!!

 

 

 

ブログタイトルは、メリンが遺した手紙から。

イグが持っているところが遠目にさっと見えるだけなんですけど、

単語や文節ごとに、大きくスラッシュが入ってまして。

 

デヴィッド・ボウイの歌詞の書きかたなんよ……カットアップ……

ふたりがボウイ好きで仲良くなるエピソードがはじめにちょっとあったから、

その手紙を見た瞬間に、

あー……間違いなく彼女の直筆だよね、

ふたりともボウイ好きだもんねと思って、

しみじみした気持ちになりました。

 

それにしてもメリンもイグも気の毒でしかないよ……

(*´;ェ;`*)

 

 

おまけ。

 

 

現役弁護士のお笑い芸人・こたけ正義感さんです。

弁護士会の広報のお仕事で、

袴田さんの判決を見届けられたそうです。

 

58年もの長きにわたり、冤罪事件と戦い続けた袴田巌さんの再審、

やっと無罪判決が出ました。

 

ほんとにお粗末な立件で、

証拠は捏造されていて、拷問で無理矢理自白させられたという、

いつの時代の話なんだという事件でした。

検察は恥を知れ!証拠捏造した警察はちゃんと裁かれろ!

((ヾ(≧皿≦メ)ノ))

 

そして、これが冤罪だってことは、

真犯人はのうのうと生きてたってことなんだよ…58年も……

マジでキモい……

 

とりあえず検察と警察と当時のマスコミは袴田さんとご家族に土下座しろ!

へっぽこハンターコトワでした!

(*`・ω・)ゞ

 

​​​​