悪魔の二択問題に乗ってはいけない | へっぽこハンター日記

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新米ハンターのコトワがハンティングした音楽、映画、書物や芸術一般について語ります。

『エクソシスト 信じる者』観ました。

旧作につき、ネタバレあります。

 

 

妻を亡くし、ひとりで娘を育てているヴィクター(レスリー・オドムJr.)。

 

ある日、娘のアンジェラ(リディア・ジュウェット)が友達のキャサリン(オリビア・オニール)と森へ行ったきり行方不明になってしまいます。

 

三日後、ふたりは保護されたものの不可解な言動を繰り返すようになり、

絶望する彼に、

隣人の看護師アン(アン・ダウド)が一冊の本を勧めてくれます。

 

その本はかつて娘が悪魔憑きに遭い、

悪魔祓いの儀式をしてもらったという親御さんが書いたものでした。

心当たりのある内容だったので、

ヴィクターはこの本の著者・クリス・マクニール(エレン・バースティン)に会いに行きます……

 

 

 

クリス・マクニール!!本物です!!

本物のエレン・バースティン!!

(@ ̄□ ̄@;)!!

 

初代というか元祖の『エクソシスト』に登場したリーガンのお母さんです。

いやあ、ビックリしましたよ。

全然情報なしで観たので、マジでビックリしたー!

 

 

そして、妻を事故で亡くしたために神を信じないヴィクターと、

事情があってシスターになり損ねた看護師のアン、

ブードゥーの祈祷師、

キャサリンの親御さんと、

彼らが通う教会の宣教師。

ヴァチカンが助けてくれないので、

この寄せあつめのメンバーで悪魔祓いをするという設定がとても面白いと思いました。

 

思えば自分がシスターになれなかったのは、

この場に居合わせるためだったというアンの告白、

ちょっと、目頭熱くなったもん。

 

なのに失敗してしまう。

 

なんでなんよ……

 

悪魔の話に乗ってはいかんと言われていたのに、

ふたりの少女のうち、どちらを助けるか選べという悪魔の言葉に、

キャサリンの父が乗ってしまい、

キャサリンを選ぶと言ってしまいます。

 

その父の声のままに、

選ばれたキャサリンの魂が地獄に引っ張りこまれるシーン、

ほんまに気の毒すぎてツラい……

 

悪魔の二択に乗ってはいかんのです。

悪魔と同じ土俵に立つことになるから。

こっちのほうが上に立たないと。

 

悪魔に限らず、詐欺師などの悪い人たちもこっちを焦らせて、

ほかに選択肢がないように思わせますが、

冷静に考えたらその選択肢の設定自体に根拠がないんです。

 

今回はキャサリンを奪ってアンジェラを返してくれたけど、

それはたまたま今回がそうだっただけ。

もともと片方を奪ったからってもう片方を返す義理なんて悪魔にはないんです。

悪魔はいくらだって嘘をつくので。

 

じゃあどうすればよかったのか。

ここで重要なのが、より上の存在。

たとえば課長が無理な二択を強いて、

さあどっちにする?!と迫ってきたら、

必要なのは部長にチクって課長を止めること。

 

悪魔が暴れているときは、

神様の一手が必要。

話なんて聞かずに、問答無用で聖水をぶっかけてやるんです。

 

でもこのチームにはその手がなかった。

それが残念でならないです。

 

 

 

ローマンリチュアル(ローマ式儀式書)を貸してくれたカトリックの神父が、

ヴァチカンの許可が下りないので儀式に参加できなかったのですが、

悩みに悩んだのち、助けにやってきます。 

 

せっかくみんなで力を合わせてたのに、

結局カトリックが偉いってことになるのかと思ったけど、

神父は儀式中に取り憑かれた少女たちに触る凡ミスをして、

あっさり殺されてしまった。

 

気の毒ですが、

この、『エクソシスト』というタイトルなのに、

エクソシストが登場しない状態が面白かったです。

 

だからこそ、勝たせてあげたかったな……

 

というわけで、ちょっと、イマイチでした。

 

 

 

あ、そうそう、

ラストシーンでリンダ・ブレア扮するリーガンが登場して、

これもめちゃビックリしました!

こっちも本物!!

 

リーガンは地獄の炎に焼かれとると悪魔が言ったので、

クリスはすごく落ち込んでいましたが、

やっぱり嘘だった。

それはほんまに良かったなと思いました。

 

なかなか面白い展開がいろいろあったのに、

結局悪魔に負けて、キャサリンが犠牲になってしまったので、

これはよくない!!

 

もうちょいハッピーな気持ちでエンドロールを迎えたい、

へっぽこハンターコトワでした!

(*`・ω・)ゞ