『オットーという男』観ました。
旧作につき、ネタバレあります。
曲がったことが許せないオットー(トム・ハンクス)は、
ゴミの分別や駐車ルールなどを守らない人に厳しくお説教をして、
周囲の人たちから煙たがられていました。
彼はリストラの憂き目に遭いそうになったので、
長年勤めた職場を自ら退職。
過去に最愛の妻を病で亡くしていて、
ずっと独り暮らしで、持病もあるので、
もうそっと人生を終わりにしようとしていました。
彼が首を吊る準備をしていた矢先に、
通りで大騒ぎしている一家に気づきます。
向かいの家に越してきた陽気な女性マリソル(マリアナ・トレビーニョ)とその家族でした。
彼女たちがなにかとトラブルを起こすので、
オットーは死のうと思ってもなかなか死ぬことができません……
トム・ハンクス主演のハートウォーミングなヒューマンドラマ映画です。
少し風変わりで、ほんとにほほえましくておもしろかったです。
トム・ハンクスが嫌われものを演じるというコピーだったかと思いますが、
嫌われものっていうのはちょっと違ったんよね。
オットーはたしかにめんどくさいし、
つっけんどんな口調のキャラクターなんですけど、
なぜかご近所さんたちはむっちゃ彼に絡んでくるんです。
ふつうなら皆さん、嫌われもののオッサンには話しかけないだろうし、
彼の方からケンカを吹っ掛けてまわってるのかと思ってたけど、
そんなことない。
暖房が壊れたとか、ハシゴを貸してくれとか、
なんかみんなめっちゃ彼を頼るし、
あーっもう!!と言いながら彼もあれこれやってあげてしまう。
きっかけはお向かいのマリソルだけど、
もともと地域の活動に頑張っていたりしたので、
古くからの住人は彼を悪く思ってない。
そこがなんかおもしろかったです。
毎回家の前を独特の服装でジョギングしているジミーはおもろかった。
いつも険しい顔をして、ろくに挨拶も返さないオットーに毎朝話しかけるの、
なんでやのんって感じやし、
雪の中で凍えるネコチャンを見て、
わー!!可哀想!!!と抱き上げて助けてったけど、
翌日皮膚が真っ赤になって、
「僕猫アレルギーやったわ、忘れてたー」と戻ってくるの、
めちゃ笑いました。
(≧▽≦)
そして、ネコチャンはオットーが面倒見ることになる……
(^-^)
オットーはもともと世話焼きなんですよね。
まわりの人にきつい言いかたするけど、
嫌ってる訳じゃない、
それをマリソルが気づかせてくれた。
古くからの友達ルーベンと好きな車会社のことで絶交してるのはめちゃウケた。
彼はシボレー、ルーベンはフォードだってw
なんそれ!!仲良うしなさい!!!
(≧▽≦)アハハ
チラシ配りの若者・マルコムに八つ当たりしたけど、
彼は丁寧に接してくれて、
なぜかと思ったら彼はオットーの愛妻ソーニャが教師をしていたときの教え子で、
トランスジェンダーの彼をはじめてちゃんと男性名で呼んでくれて、
周りの人もそれに感化されて、
彼をふつうに男性として扱ってくれるようになったので、
ソーニャにとても恩を感じていたとのこと。
ソーニャを褒められたらそれ以上文句も言えないし、
家に泊めてあげたりするうち、
気づいたらオットーはマルコムを息子のように接するようになります。
この流れもめちゃくちゃ良かったな。
このマルコム役の俳優・マック・ベイダさんが、
実際にFTMトランスジェンダーの俳優さんで、
当事者がちゃんと起用されるのほんとにいいことですね!
素敵なオフショット!
\(^o^)/
ブログタイトルは、心臓肥大の持病のあるオットーが倒れて、
お医者さんがマリソルに説明しますが、
メキシコ出身の彼女は病名の英語が理解できなかったというシーンから。
しかたなくお医者さんは「彼は大きいハートを持っている」と説明して、
マリソルは爆笑。
そのときのオットーとマリソルの表情がすごく良くて、
そうだね、オットーは大きいハートを持っているよねと、
しみじみあったかい気持ちになりました。
マリソル、笑いすぎやけど。
(≧▽≦)
実は猫目当てで観ましたが(おいおい)、
でもとても優しい気持ちになれる、
素敵なお話でした。
あ、何度もオットーが自殺にチャレンジするシーンがあるので、
エンドロールではメンタルクリニックや相談ホットラインの連絡先も出てました。
最近エンドロールにはこういうのも載るんだなー。
いろんな配慮があるんだな。
これがほんもののポリティカルコレクトネスだねと思った、
へっぽこハンターコトワでした!
(^o^ゞ
トム・ハンクスは信用できる!
(^_-)☆