『トーク・トゥ・ミ―』観ました。
旧作につき、ネタバレあります。
母を亡くして、落ち込みがちだった大学生・ミア(ソフィー・ワイルド)は、
親友らを誘って同級生のパーティーに出かけます。
そこでは、霊能力者のものとかなんとかのいわくつきの石こうの手があり、
握手するようにその手を握って「トーク・トゥ・ミー(話して)」と言うと、
近くにいる霊がやってくるという、
“90分憑依チャレンジ”をやって盛り上がっていました。
ミアの親友の弟・ライリー(ジョー・バード)はまだ未成年なので参加できないことにしてましたが、
本人がやりたがり、ミアは許可してしまいます。
そして、ライリーの中に入ったのはミアの母親の霊らしく、
ミアはもっと話をしようとして、90分の制限を超えさせてしまい、
ライリーの身に異変が起きます…
A24の最高興収を記録したオーストラリアの大人気ホラー映画です。
なんか思っていたのと違う意味ですごかったです。
主人公のミアが、自己中心的な粘着質の気持ち悪いキャラクターだったんですよ。
いわゆる“かまってちゃん”で、
二言目には「ひとりにしないで」と言ってくるもんで、
キモチワルいな〜とテレビの画面に向かって何度言ったことか…
そしてすべての判断が間違っているという、
坂道を転がり落ちるタイプの主人公でした。
パーティーのノリだけで、
なんの知識もないのに降霊に同意してしまう若者たちのヤバさもすごいが、
なんでも信じすぎて、そういう世界に飛び込んでしまうミア、
マジで詐欺にひっかかりそう……
アレ、絶対お母さんちゃうしね……
調べるとか人に聞くとか、もうちょっといろいろしなさいよ……
なんで詳しくもないのに自己判断だけで見切り発車するんだよ……
自己肯定感は低いのに、
自分の感覚だけはやたら強く信じていて、人の話をまったく聞かない、
こういう人、いるよな……と思って、
イヤーな気持ちになりましたとさ。
怖いものが見たかったのに、嫌なもの見たわ……
ホラーもいろいろあるよね……
よかったところは、ライリー一家が無事なところぐらいだろうか。
あ、あと、たぶんライリーはゲイで、
パーティーの中心人物のヘイリーはいわゆる女性らしい女性ではないことなど、
当たり前にそういう若者たちが映画の登場人物であることは良いことだと思いました。
最近「コンプラ無視」とか「コンプラなんて」という文脈のキャッチコピーの打ち方や、
ジョークの作り方をよく目にするけど、
ほんとになにもわかってないんやなと思います。
今まで映画の中にいなかっただけで、実際の社会には存在する人たちを、
映画にもちゃんと反映させていこうというムーブメントが、
昨今の多様性とか人権保護のコンプライアンスなので、
いなかったことにされてる人間の身にもなれよ。
こういうときに「昔はよかった」とか言うやつ、
たまたま昔差別される側じゃなかったってだけやからね。
「昔はよかった」は、日本の平均所得がもっと高かったとか、
ふつうに週休二日で一日八時間ほど働いていれば、
三十代で結婚したり家買ったりできたとか、
そういう、日本の手取り所得の話をするときしか使えない言葉だからね!
へっぽこハンターコトワでした!
(*`Д´)ノスグ減税シロ!