アガサ・クリスティーの『ハロウィーン・パーティ』読みました。
感想にはネタバレふくみます。
郊外の邸宅で、こどもたちのためのハロウィン・パーティが開かれ、
パーティが終わったあと、ジョイス・レイノルズという少女が、
アップル・ボビングのゲーム用の水槽に顔を突っ込んだ状態で発見されます。
ジョイスは、パーティの準備中に、
かつて殺人事件を目撃したことがあると話していました。
パーティに出席していた推理小説作家のアリアドニ・オリヴァは、
友人の探偵・エルキュール・ポワロに、
誰がジョイスを殺したのか、
そしてジョイスが見たという殺人事件はほんとうにあったのかを、
調査するよう依頼します……
下のヒアシンス姫は僕のブックカバーです。
お気に入り(^-^)
さて、この小説はケネス・ブラナーの映画『名探偵ポワロ ベネチアの亡霊』の原作とされているんですけど、
驚くべきことに舞台がヴェネツィアじゃない!!!
内容も全然違っていて、
何人かの登場人物の名前と、いくつかのアイテムやイメージを借りただけで、
ほとんどオリジナルと言ってもいいくらいの翻案ぶりでした。
この小説は、裕福な家庭が多いウッドリー・コモンという小さな町が舞台で、
少女が殺され、その事件をポワロが解き明かすというものですが、
話の筋自体はシンプルなんですけど、
登場人物が多くて、整理が大変な部分がありました。
(^_^;)
ジョイスが見たと言っていた事件はなんだろうということで、
ポワロは過去数年の事件を調べみるんですけど、
この、過去の不審死が意外に多くて吹き出しました。
数年でひとつの町でそんなに人が変な死にかたする?
(≧▽≦)アハハ
で、突然現れた、誰もが目を見張る、
美貌のサイコパス庭師というキャラクターは、
存分に映画映えしそうなのに、
そこ、使わないんやな、ケネス・ブラナー……
別にええけど……
( 。’ω’)y─┛
ケネス・ブラナーはこどもが被害に遭わないことにこだわったのではと思ったりしました。
映画ではアップル・ボビングで死にかけるのはポワロ自身だし、
小説ではジョイスの弟も殺されますが、
映画では少年の父親が亡くなります。
今時の映画としては、こどもが殺される話は良くないもんね。
この小説のあとがきで、
翻訳者さんも原作と映画とが違いすぎていることを書いてましたが、
その翻訳者さんのこだわりポイントはアリアドニ・オリヴァが活躍することらしい。
アガサ・クリスティの分身とも言える彼女、
たしかに面白いキャラクターでした。
映画ではたしかにそんなに活躍してないけど、
でも映画ではみんな容疑者みたいにしておく感じだったので、
彼女もそのうちのひとりになるのはやむなしかなと思ったり。
特にめちゃくちゃおもしろいというわけではなかったけど、
あまりにちがう内容の小説と映画を見比べて、
それぞれのこだわりを探るの、
なかなか乙でした!
v( ̄ー ̄)v
ちなみに僕のこだわりは……あっこれなに?
“Saint Carta”と書かれた紙の切れ端が、
小説に挟まってました。
これは『死霊館のシスター』に登場した修道院の名前です。
そんな名前の聖人は聞いたことがないからあとで調べようと思って、
なにかの切れ端に書いて、
たまたま持ってたこの本に挟んだもよう。
すっかり忘れてたから、
これを見たときはちょっとびっくりしました。
僕のこだわりポイントは常にほんのり考古学ホラー!!
へっぽこハンターコトワでした!
(*ノ゚Д゚)八(*゚Д゚*)八(゚Д゚*)ノィェーィ!
おまけ!!
アップル・ボビングと聞くと、
『ディセンダンツ2』の“Ways to be wicked”思い出すので、
貼っておくね!
『ディセンダンツ』は、ディズニーヴィランのこどもたちが、
プリンセスのこどもたちと一緒に高校に通うことになるという、
テレビ映画シリーズ。
2作めのオープニングでかかるこの曲は、
白雪姫の魔法のリンゴにまつわるシーンがいくつかあって、
そのうちひとつが、
水がめに浮かんだリンゴを手を使わずに口だけでゲットする、
アップル・ボビングというゲームのシーンになってます。
はじめて見たときは、なにしてんだアレ?って思いました。
(^_^;)
そんなゲームがあるんだねえ~。