『ドラゴンスレイヤー』観ました。
たいそう旧作につき、ネタバレあります。
中世のイングランド。
辺境の地域から巡礼の一行が魔術師ウルリク(ラルフ・リチャードソン)のもとを訪ねます。
毎年処女の生け贄に要求するドラゴン・ヴァーミスラックス・ペジョラティヴを退治してほしいとのことでした。
しかし、生け贄はカシオドラス王(ピーター・アイア)とドラゴンとの協定なので、
ドラゴン退治は王の意思に逆らうことになると、
王の従者のティリアン(ジョン・ハラム)がウルリクを殺してしまいます。
遺言に従い、ウルリクの遺体を火葬した弟子のゲイレン(ピーター・マクニコル)は、
ウルリクの代わりにドラゴン退治をしようとします……
1981年の古いファンタジー映画です。
CGやVFXの合成だけだと、時代が古いと見るのキツいときがありますが、
特殊メイクやパペットを駆使した特撮がいっぱいあったので、
今観ても楽しく拝見できました。
クレイアニメとかパペットアニメとか、
やっぱりモノがあるほうが結局強いんじゃないかなと最近思いますね。
で、あらすじはシンプルなんですが、
一部の内容はけっこう過酷でした。
王の従者のティリアンってやつがもー、
ドラゴン退治なんてどうせ無理やみたいなことをぐちぐちずーっとうるさくてさ。
何回か頭をかち割るぞ!と思いました。
別にいいやん、失敗するならするでさ、
お前になんの関係もないやん。
王様とドラゴンの協定やっていうけどさ、
ドラゴンとほんまに意志疎通できたと思うのかよ。
そこで思ったんですが、
なんでドラゴンに捧げられるのは乙女なのかって。
ドラゴンからしてみれば、人間がオスかメスかなんてわからんし、
処女かどうかなんかもっとわからん。
ドラゴンの食事シーンを見ると、
カリッカリに焼いていたので、
ほんっまに乙女でないといかん理由はない。
そら、ゲオルギウスのドラゴン退治とかでも、
見映えの問題だとは思いますよ、
囚われの乙女という図がね、
絵になるでしょ。
でも、この映画では、
痩せた貧しい国で、大人の男性と男の子は働き手で、
既婚女性はこどもの世話がある、
だから、処女、つまり、未婚の若い女の子は、
家業の中ではあまり役に立たないから減ってもかまわないという背景があるように感じました。
国が貧しいとこんなことが起こる…
なんかドラゴンとの闘いよりも、
こういうところが、なかなか過酷でした。
まあ、昔の映画って女性がひどい目に遭いがちだよね…
生け贄を選ぶクジの中に自分の名前がないと知ったお姫様が、
ズルをしていた父王を詰って、
みずから生け贄になりにいくんですが、
赤ちゃんドラゴンに彼女が食べられるシーンが1番のショッキングシーンでした。
いやあの、助かるもんやと思って観てたから……
く、食われてる!!
(^_^;)
ゲイレンは魔術師ウルリクの命をかけた魔法により、
ドラゴン退治をやり遂げますが、
その手柄を王様が奪ったため、
逃げるようにその場をあとにします。
それでエンディング。
これは…むっちゃもやもやするわ……
なぜだかとても政治的なドラマになっていて、
監督か脚本家が、言いたいことあったんやろうなあと思いました。
ファンタジーだ~と思って軽い気持ちで観はじめたけど、
なかなか大変だったな……
ドラゴンの造形は見事で、
ちょっとユーモラスな顔立ちだったのはおもしろかったです。
へっぽこハンターコトワでした。
(^_^;)アハハ