『女神の継承』観ました。
旧作につき、ネタバレあります。
タイの東北部で、女神バヤンの巫女を務めるニム(サワニー・ウトーンマ)を取材するドキュメンタリー班。
ちょうどその取材中に、
ニムの姪であるミン(ナルリヤ・グルモンコルペチ)は謎の体調不良が続き、
まるで別人のような言動を繰り返します。
この症状は彼女が新しいバヤンの巫女に選ばれたためではないか。
巫女の代替わりの一部始終をカメラに収めようと、
ドキュメンタリー班はミンの取材をはじめます……
モキュメンタリーふうのホラー映画です。
そういう映画の定石として、
結局なんだったのかわからないままに、
救いのない終わりかたをします。
ハンターとしては、ニムのアプローチは悪くなかったと思うけど、
(実際に工場跡を見つけたのは彼女の祈りと占いだし)
ただ、心がもたなかったのかなあと。
彼女が女神バヤンはほんとうに存在しているかもうわからないと泣いていて、
ミンに取り憑いたものがなにかはっきりとはわからないので、
『女神の継承』というタイトルは果たして適切なのだろうかと思いました。
そしたら、英語のタイトルは『The Medium』(霊媒)なんやね……
こっちのほうがあいまいな感じで、内容と合ってる。
ただ、インパクトは『女神の継承』のほうが強い。
タイトル選びもむずかしいね~。
悪霊や悪魔に取り憑かれた女性は、
本人の望むところや本来のキャラクター、当人の年齢に関わらず、
一様に性的に大暴れする設定って、
それを見ている社会が男性中心だからなんかなと思ったりもしました。
ほら、女性を罵る言葉は“ビッチ”じゃん。
アホとかグズとか特徴に合った悪口はいろいろあるだろうに、
女性だと一律ビッチ。
男性から見た女性ならではの問題行動が性活動だから。
フェアじゃないねえ〜。
それにしても、悪魔に取り憑かれてめちゃ見た目が怖いのに、
誘惑してきて、成功すると思ってるのかなと、
エクソシストもの観ながらいつも思います…
悪魔はそういうところの感性はちょっと低めなのかな?
(;^ω^)
まあ、女性の魂を汚すことが目的だからいいのかな……
さて、この映画で、
ミンが目に涙をいっぱいためてカメラを見つめるシーンがとても印象的ですが、
あれが彼女の最後だったからなんだね。
あのあと彼女は自殺を図り、そこからはもう別のなにかだった。
気の毒すぎる……
そんなセンチメンタルな気持ちをぶっ飛ばす、
異常行動の数々が家に取り付けた隠しカメラで明らかになりますが、
ちょっとそこはコミカルでさえありましたね。
てか、隠しカメラが家族の同意なしだったの、ビックリした。
ミンを追いかけて女子トイレを撮影してたのもビックリして、
この取材班やべーなと思った。
ジャーナリズムと野次馬根性は紙一重なのか……
と思ったらみんな死んだからまあいいや。
(^_^;)
クライマックスの阿鼻叫喚な儀式シーンは、
たぶん見せ場だと思いますが、
なんか意味がわからなくて……
タイのエクソシズムがどんなものか知らないからなのかもしれないけど……
悪霊を祓うのに、
新しい霊媒に今から悪霊を入れるって言うんですけど、どういうこと?
今すでに悪霊はいるのに?
取り憑かれた人がふたりになってより厄介になるだけじゃん。
で、その儀式の間、当のミン本人は自室に閉じ込めておいて、
事情をあんまりわかってない親戚のねえさんとその赤ちゃんと取材班がふたりついてるだけって……
僕でも全員殺して外に出られるよ?
( -ω-)y─━ =3
建物の五階で儀式して、モノを持って階段を降りて、
前庭に掘った穴に入れて燃やすという予定を聞いたときに、
五階から駆け降りないといかんとかもうすでに成功する気がしないなと思いました。
で、実際、まったく予定どおりにはいきませんでした。
廃墟なんだから建物は壊して、地面で儀式すべきだったと思う…
まあ、たぶんこのラストありきでつくられてるから、
あのときこうしていればとかはないのでしょうけども…
というわけで、個人的にはあんまりどうなんかなーという感じでした。
唯一よかったのはタクシーのドアのガラスの映り込みね。
ああいうの好き。
ブログタイトルは、この映画を観ていて、
半分くらいでとても気分が悪くなったことから。
僕は繊細だから?と一瞬思ったけど、違います、
この手ブレ映像が原因でした。
(;^ω^)
クライマックスなんかもう、ほんまに酔ってしまってしんどかった!
モキュメンタリーつらいよケイティ!!
(『パラノーマル・アクティビティ』の主人公。
定点観測のシーンは問題なかったけど、それ以外がしんどかった!)
手ブレに負けない強い三半規管がほしい、
へっぽこハンターコトワでした!
( ̄▽ ̄;)