『ガリーボーイ』観ました。
旧作につき、ネタバレあります。
インドのスラム街に暮らす学生ムラド(ランヴィール・シン)は、
貧しさや家庭の事情があり、
思うようにならない毎日に押し潰されそうでした。
彼の唯一の救いは恋人のサフィーナ(アーリア・バット)や、
友人モーエン(ヴィジャイ・ヴァルマ)たちと好きな音楽を聞いたり、
ライブに行ったりすることでした。
そんなとき、大学でMCシェール(シッダーント・チャトゥルヴェーディー)と名乗るラッパーと出会い、心を奪われます。
ムラドは自分の気持ちを詞に書き、
MCシェールにパフォーマンスしてもらおうとしますが、
彼はムラドが自分でラップすべきと言います。
彼の後押しもあって、
ムラドは「ガリーボーイ」という名で、
動画をつくってラップに挑戦します……
ヒンディー語の映画です。
これからインド映画はどの言語の映画かも書いておこうと思います。
v(´▽`*)
『RRR』のシータ役の女優アーリア・バットさんがヒロインです。
彼女はヒンディー語ネイティブなので、
『RRR』のテルグ語の台詞は吹替なんだそうです。
驚きだよね、同じ国なのに吹替……
さすがインド……
そのアーリアさんについて、
「『ガリーボーイ』のときのめちゃ強い彼女のイメージがあるから、
『ブラフマスートラ』の続編ではもうちょっと彼女も暴力をふるってほしい」という不穏なツイートを見て、
『ガリーボーイ』ってどんな映画?!と思って観てみました。
ええと、すごかったです。
(≧▽≦)アハハ
ムラドにちょっかいをかけた女の子に殴りかかり、
ムラドといい感じになってしまった女性プロデューサーの頭を瓶で殴り……
ムラドに「もう人を殴るな」と怒られたり、
母親に「ウソと暴力で人生が破滅する」と怒られたりしてるの、
申し訳ないけどちょっとおもしろかったです。
(^_^;)
たしかにこの彼女なら、
『ブラフマスートラ』でも戦えそうww
ムラドの家庭環境がほんとうにひどくて、
何回か気が遠くなりました。
金持ちの運転手をしている父は、
スラムで暮らしていて貧しいのに第2の妻を迎えます。
母は我慢して、彼女の分の食器を洗ったりします……
父が怪我をして出勤できないとき、
父はムラドに代わりの運転手の仕事をさせますが、
その間授業に出られないのに、
高い金を大学に払ってるんだから落第は許さないと言います。
極めつけは暴力で言うことをきかせようとする父を、
ムラドが殴り返してやろうというところで、
同居している祖母が文句を言うシーン。
「孫がこんなに乱暴になったのは母親のしつけが悪いから」と言うのです。
えぐい。信じられん。
そんなら、このめちゃくちゃな父親こそ、
母親のしつけが悪いんやろうが。
それで幼い弟と母を連れてムラドが家を出ていくのですが、
その祖母が「私は?」と言っててさ。
何でお前を連れていくと思うのか。
ムラドは「自分の息子の面倒みたら?」と言い放ち、
祖母は泣き崩れます。
ムラドの家庭のいざこざはこのあとも続き、
ほかにも、サフィーナのおうちのこと、
モーエンのヤバい仕事のことなど、問題山積。
めちゃしんどいし、
叫び出したくなる気持ちが痛いほどわかりますね……
そんなムラドがMCシェールさんのラップにハマります。
てかマジで、シェールさんが良い人すぎる。
引っ込み思案なムラドを導いてくれて。
自分の家も父親の問題があるのにさ……
家父長制度は若者も押し潰す……
それを実感しましたね。
だってまあ、才覚がなくても男なら大黒柱にならないかんってことやから、
男の立場でも大層なプレッシャーやしね……
そんで弱い人間は憂さを晴らすために、
さらに弱い人を探しがち……
全方向にいいことない仕組みなんよな。
ほんまにしんどいなあと思いました。
良かったところは……
スラム街でMV撮影するシーンがすごく楽しくて良かったです。
これで街の人たちとの一体感みたいなものが得られたのよかった。
YouTubeやソーシャルメディアのお陰で、
資金がなくてもコマーシャルが打てたり、
商品や作品を発信できるの、すごく夢があることなんやなって。
ブログタイトルは、ラップバトルについて。
個人的にラップの良し悪しが全然わからないのです。
ライムって呼んではいるけど、
ちゃんと母音を揃えて韻律を踏んでいるわけではなく、
なんとなく音が似てるぐらいでつくってるから、
それはライムじゃなくてダジャレじゃんと思うことが多くて、
ガチの文系の僕からすると、
どうなんかなと思っちゃうんですよね……
だから、ほんまにムラドに才能があるのかはさっぱりわかりませんでした……
(^_^;)
そして、ラップバトルのシーン。
はじめてラップバトルというものを見たんで、
負けた側はこんなふうにバツが悪い顔をして引き下がっていくもんなんやと、
軽いショックを受けました。
マヂカルラブリーさんのラップバトルのネタで、
野田さんが煽るけど、
村上さんは「お前はマジでお茶野郎」と歌い出すやつがありまして。
「お茶野郎ってなに?俺にお茶要素ねえよ!」と返すけど、
村上さんにはほかに語彙がなく、
「お茶抜きでラップしろよ」と言ったら黙りこんじゃって、
気の毒になった野田さんが「俺の負けだ♪」と歌って終わるというコント。
このイメージが強くて、
こう、バトルと言えど、
予定調和なんだろうと思ってたんです。
だから、みんなの前で罵られて、
悲しい顔をして、引き下がる敗者のみなさんを見て、
大変いたたまれなくなったのでした。
家庭環境が辛かったりして、
自分の叫びを聞いてほしい!という気持ちでここに立っているのに、
相手の外見のツッコミどころを探して、そこをとことん罵るって……
それははたして健全な音楽なのだろうかと思った。
アメリカのラッパーの差別発言が定期的に問題になったりするけど、
こうやって人の外見や属性を罵ることをプレイにしているなら、
そら、差別発言して当たり前やなと思ったりした……
悪口言わないで、お茶野郎ぐらいにしときなさいよと思いました、
へっぽこハンターコトワでした。
┐(´∀`)┌イエー!
もちろんそんな人ばかりじゃないとは思いますよ。
スヌープドッグさんとかマックルモアさんはおもしろい。
みんなで楽しく踊ろうよう~。
(*ノ゚Д゚)八(*゚Д゚*)八(゚Д゚*)ノィェーィ!
左がシェールさんです。マジでイイ人です。
(^-^ゞ