『容疑者Xの献身』をテレビで観ました。
旧作につきネタバレあります。
シングルマザーのハナオカヤスコ(松雪泰子さん)は、
突然押しかけてきて娘に暴力を振るった元夫トガシ(長塚圭史さん)を殺してしまいます。
そこへ、物音を聞いてやってきた隣人のイシガミ(堤真一さん)が、
後片付けをかって出ます。
数日後、死体が発見され、
指紋や顔が潰されていたにも関わらず、
すぐにトガシだと断定されます。
ハナオカ母子は当然疑われますが、
ふたりにはなぜか完璧なアリバイがありました。
困ったクサナギ刑事(北村一輝さん)とウツミ刑事(柴咲コウさん)は、
馴染みの物理学者・ユカワ(福山雅治さん)に助言を求めます。
ユカワはハナオカ母子の隣人がイシガミだと知り、
興味を持ちます。
イシガミはしがない高校教師ですが、
実は天才数学者で、
ユカワとは大学時代の学友でした…
母上が観ていたので、一緒に観てみました。
ただ、とてもモヤモヤする話でした。
隣人に片想いしている男が、
彼女をかばってアリバイ工作をして自首する話なんですが…
これって“献身”なんだろうか。
ただの自己満足じゃん。
自分は気持ちいいやろうけどさ、
それをされた女性がどう思うか考えなかったのか?
昔見た『白夜行』というドラマでも、
男性主人公がすべてを捧げて女性を守るけど、
それをされた女性は、
そこまでしてもらったんだから、
自分は幸せにならないといけないという呪縛に囚われて、
廃人みたいになってしまう。
人に責任なすりつけて平気な人もおるかもしらんが、
ふつうは他人が自分の代わりに刑務所入ってると思ったら、
幸せになんかなれんよ。
されたら嫌なことを人にしたらダメという倫理観って、
自分が気にしないことでは人にも迷惑かけていいという厚かましい解釈するやつが出てくるので、
あんまりよくないのかもしれないけど、
でもやっぱり基本だと思うんですよ。
とくに、属性の違う人どうしの交流のときに。
よく言われるたとえでは、
セクハラ発言をする男性に、
自分がそんな発言されたらどんな気持ちになるかと聞くと、
「自分は男だからそんなこと言われないし、
言われたらたぶんムカつくと思うが、
女の人はこういうことを言われると喜ぶ」と答える。
んなわけあるかよ。
彼女たちだってムカついてはるわい。
でも、こういう人、けっこういるんですよね~。
この映画のイシガミさんもまさにそうで、
ハナオカさんの気持ちをまったく考えずに突っ走ってる。
こんな庇いかたされたら気持ち悪いやん。
一生この男の顔色うかがわないといかんのかと言ってはったやん。
このくらいの罪じゃ終身刑になるとは思えないからいずれ出所する、
そのときこの母子がどんな不安に陥るか考えなかったんか?
なにより、自分を透明人間のように感じていて、
ひとり自殺しようとしていたときに、
隣に越してきたこの母子が自分をちゃんと見てくれたのが嬉しかったというきっかけがあるのに、
同じような境遇の無関係のホームレスの人を、
アリバイのためだけに利用して殺したという身勝手さ、
めちゃくちゃ腹立たしくてですね。
だからお前はダメなんだよ、としか…
この母子を守りたい、
いいところのなかった俺の人生、最後に誰かを助けて花を咲かせたい、
という気持ちはわかるけどさあ…
あと、この人、やたら天才天才言われてるんやけど、
ほんまに天才なのか?というところも気になった。
だって、この死体は、
借金取りに追われ、元妻にたかる、住所不定無職の単身者やで?
バラバラにして捨てたら、それで終わりだったのでは?
死体がなけりゃ立件できないし、
行方不明届けを誰も出さなきゃ、
元妻のところに警察が来ることもない。
彼女が要らん嘘をつく必要もないやん…
僕がもし探偵さんなら、
あのこたつのコード、彼の家のこたつのものかを調べるだろうな。
ユカワ先生、たしか、彼の家でそのまま寝てて、
ふとんかけてもらってて、
あの家、こたつそのものがなさそうだった。
こたつのコードってあんまりそれだけで買う人おらんやろうしさ。
犯人もアレなら警察もアレで、
なんかあまりおもしろくはなかったです。
おもしろかったところは…
必要があるかどうかわからんけど、雪山のシーン。
雪で視界が真っ白になる描写が好き、
へっぽこハンターコトワでした!
(^o^ゞ
怖い思いして雪山に一緒にのぼったのに、
友達ちゃうと言われてしまうユカワ先生もおもろかったです。
(^o^;)
ちょっとかわいそう!
ところでガリレオってなに?
あだ名なのかと思ってたけど、
作中全然呼ばれてないよね…
(^o^;)