『ディリリとパリの時間旅行』観ました。
旧作につき、ネタバレ含みます。
これはヤバイ!最高!
ヾ(*´∀`*)ノ
19世紀末のパリ。
万博でカナック(ニューカレドニアの先住民の人)としてライブアクション展示で働いていた少女ディリリは、
配達の仕事をしている若者オレルと仲良くなります。
一方そのころ、パリでは少女の誘拐事件が頻発。
男性至上主義者の集団の犯行だと言われており、
ディリリはその調査を開始します…
『キリクと魔女』のミッシェル・オスロ監督のアニメ映画です。
ほんとにめちゃくちゃきれいなアニメで、
19世紀末フランスの素敵なアール・ヌーヴォー建築がキラキラ!
ミュシャのポスターやドガの踊り子たち、
ムーラン・ルージュの喧騒も堪能!
ショコラが!いましたよ!
\(^o^)/
この時代のパリを生きた有名人も総出演!
ピカソ、ロートレック、プルースト、ロダン…
アール・ヌーヴォー大好きハンターコトワとしては、
最高かよーー!!
\(^o^)/
ロートレックと一緒にオレルの三輪車に乗って疾走するディリリ!
\(^o^)/\(^o^)/
そして、この時代で有名な歌姫・エマ・カルヴェが、
とっても素敵なキャラクターとして登場していておもしろかった。
愛情深くて、型破りだけど優雅で、
ディリリと少女たちを救出するため、
サラ・ベルナールやキュリー夫人たちと会議するシーン、
おもしろかった~!
一方で、この男性至上主義者の集団っていうのがかなり悪質でして…
女性が男性よりも上の立場に立って豊かに暮らすのが許せないので、
少女たちを誘拐して再教育する、という…
先日起きた小田急線内の傷害事件、
包丁を振り回した犯人が、
「幸せそうな女性を殺してやろうと思った」と言ってて、
“無差別”じゃないんですよね、
“ミソジニー(女性嫌悪)”による女性を狙ったヘイトクライムなんですよね。
昔、ストーカーの心理の本を読んだとき、
男性の中には「自分は男の中では下の下でも、女よりは上」と認識してる人がいて、
「俺が好意を示してやったのに、女の癖に振りやがった」という認知の歪みからストーカーになるって。
痴情のもつれだと思われがちだけど、
これも女性蔑視が素地にあるヘイトクライムなわけです。
なぜそんな差別思想を持つにいたるのか、現代っ子の僕には想像もつきませんが、
教育の問題ですかねえ…
ニュースを見たとき、それを思い出して、
いやーな気持ちになったんですよね…
この映画では、みんなで力を合わせて誘拐された少女たちを助け出します。
そのとき、エマの運転手をしている屈強な男が、
はじめはディリリを見下していたのに翻意してみんなを助けるのが、
とてもうれしかったです。
ひどい男ばかりじゃない!だろ!!
そうそう、この運転手が最初ディリリのことを見下すのは、
彼女の肌の色のせいなんですが、
これもね…
ディリリは混血だそうで、
カナックとしては肌の色が薄いので地元では仲間外れにされ、
パリにきてからはカナックの子と呼ばれる。
どっちかでなく両方なのにって言うシーンを見てて、
大坂なおみ選手にバッシングする人のことを思い出したりした…
元JOC会長が「開会式のトリは純粋な日本人男性が良かったのに」とか言った差別発言もね…
ほんと、オリンピック関係で日本の汚い部分がいっぱい露呈してヤバイな…
そんな、現実社会のつらいところを思い出したりしたけど、
それを愛で越えていくエマのような人が登場して、
飛行船で少女たちをひとり助けるごとに「もう大丈夫よ、ことりちゃん」とか「心配ないわ、お姫さま」とか声をかけて安心させてあげようとするこの映画、
めちゃくちゃいいなあ~って、
思ってた以上に心に染みたのでした。
ミッシェル・オスロ監督たちは、自分の娘たちを思ってこの映画をつくったんだって。
こんな人たちもいるんで!と声を大にしたい、
へっぽこハンターコトワでした!
(^_^ゞ
ディリリーーーー!好きだーーー!
\(^o^)/\(^o^)/