10話完結のミニドラマ『ウェストワールド』観ました。
ラストシーンを気に入ったという話がしたいので、
ガッツリネタバレあります。
最先端の人工知能を備えたアンドロイドたちがホストとして客をもてなす、
西部劇テーマパーク・ウェストワールド。
創設者フォード(アンソニー・ホプキンズ)が行った人工知能のアップデートを機に、
アンドロイドたちの中でプログラム外の行動に出るものがあらわれ、その対応に追われる制作サイドのスタッフたち、
パーク内で謎の行動に出る客の男(エド・ハリス)、
そして、自我に目覚め始めたアンドロイドのドロレス(エヴァン・レイチェル・ウッド)たち。
それぞれの物語が交錯していきます。
このドロレスのいでたちが、『アリス・イン・ワンダーランド』のアリスに似てるという映画雑誌の記事を見て、
なるほど、ワンダーランドなのかーって。
自我に目覚めたドロレスがパークの奥にある“迷路”を探すというエピソードがあるので。
そんで、見つかった真実は、つらいものだった…
西部劇の世界ってたいへん血なまぐさいものですから、
ここで遊ぶというのは、
悪者になって人を撃ち殺したり、女性を襲ったり、
ヒーローになってそれを助けたりなんだりっていうシナリオをリアルに疑似体験すること。
アンドロイドたちはシナリオの中で死ねば回収されて、
記憶を消去されて、
また再配置されます。
古いホストは使い回されていて、
今は農場主だけどその前は牧師、さらにその前はカウボーイ、みたいなシナリオの変遷もあって、
そのたび記憶は消去するんですけど、
それが一部残ってしまう。
それがアノマリーの引き金となるんですね。
フォードが隠していた過去が次第にわかってきて、
なんかこう…やな展開だなーってなってるときに、
エド・ハリス扮する謎の男の正体がわかって。
最初の登場から暴力の限りを尽くす彼のお目当ては“迷路”なんですけど、
行く先々で「お前のための迷路じゃない」と言われ。
それはドロレスたちホストのための仕掛けなんですが、
そんなことを知らず、
通ぶった長年の客が訳知り顔でひっかきまわしたいのかなと最初は思ってたんですよ。
でも彼の正体が、かつてアノマリーを起こしたドロレスを“特別”と信じて愛した若者ウィリアムだったことがわかって、
それでガラッと印象が変わりまして。
「やられてばかりの彼らがいつかやりかえせばいいのに」、
それが彼の原動力だった。
だから“迷路”を探したのも、
かつて愛したドロレスのためだった…
それで、お偉いさんたち制作サイドの人間たちが集まってパーティーをしているところに、
解放されたホストたちが夜陰に乗じてやってくるラスト、
たぶんこの場にいた人間はみんな殺されるんだろうなっていう最終カット、
ウィリアムはそれを見て少し笑う。
それがラストシーン。
なんか、すごく、このオチが好きになってしまった。
たぶんウィリアムも洩れなく殺されるはず。
でも、彼は笑顔なんです。
やっと、アンドロイドたちが人間たちにやりかえせるから。
その復讐の標的にたとえ自分が含まれていても。
いついかなるときでも生き物の自由に生きる権利を尊重したい僕好みの、
怖いけどうれしいエンディングでした。
脚本のジョナサン・ノーラン、さすがだなーってなったよ!
物語の重要な鍵を握る、
売春婦メイヴ役のサンディ・ニュートンもすごくよくて、
血なまぐさいしグロいけど、
ラストまで見て、おもしろかったと言えるドラマでした!
シーズン2の予定があるらしく、そういう引き継ぎ案件も残しつつも、
けっこういい終わり方をしたのではと思います。
アメリカのドラマはだいたい次のシーズンに向けて、
変な終わり方をして視聴者を待たせる傾向にありますからね…
それにしても、ここ最近、映画級のスケールにキャストで、ほんとにすごいドラマがつくられてるなー。
楽しいなー!
(*^^*)
次のシーズンも楽しみだ!!
\(^O^)/
おまけ。
例の“迷路”を示すおもちゃが。
蚊取り線香にしか見えない罠ww
(≧∇≦)