シネマ歌舞伎『海神別荘』を見ました。
海の支配者である公子(市川海老蔵さん)は、
人間の美女(坂東玉三郎さん)を妻に迎え入れます。
彼女は、海の贈り物と引き換えに人身御供に出されるのでした。
はじめは不安を感じていた彼女でしたが、
海の御殿の絢爛豪華な様に魅了され、
故郷の家族にもここにいる自分の姿を見せたいと言い出し、
公子の逆鱗に触れてしまいます・・・
泉鏡花の原作なので、
とてもモダンな歌舞伎です。
美しい海の下の世界や衣装はイラストレーターの天野喜孝さんが手がけていて、
並んでたつふたりは天野さんの絵から抜け出してきたようでした!
そんでちょっとコミカルというか、
台詞の運びがおもしろかった。
特に公子のノリが軽いところはウケタ(笑)
とても独特の世界観を持っていて、
魔物の美学みたいなものがあるのですね。
八百屋お七が市中引き回しの末に処刑されるシーンについて、
彼女はそのとき幸せだったから、
引き回しにされても、それは幸せの誇示であって、
さらしものの刑罰にはなってないんじゃないのってコメント。
最近僕と友達の間で問題になっている、
「ドMの人間を懲らしめるにはいったいどうしたらいいのか」と
いう永遠の命題ですなー(笑)
┐( ̄~ ̄;)┌ヤレヤレ
また、
海の御殿には悲しみや嘆きは持ってきてはいけないそうです。
だからメソメソして泣いていると、性急な公子がキレていまいます。
いやあもう、なんつう自分勝手な…
(;^_^A
内容的にはちょいヴィリエ・ド・リラダンの『未来のイヴ』を思い出した。
ものすごい美女だけど、頭が良くない女性がいて、
そこが残念なんで、
彼女そっくりの賢いアンドロイドをこしらえて嫁にしようとする話。
こういう話って、どうなんですかね、
女性のみなさんは…
不愉快じゃないのかな…
(;^_^A
舞台は本当にきれいで、
特に輿入れのときのドラゴンというか大蛇というか、
謎の海の生き物(台詞では“うま”と言っているようでした)は見惚れた。
あれだけをずーと見ていたいと思うくらい…
( ̄∇ ̄+)
なかなか敷居が高い歌舞伎、
映画館でお手軽に体験できるのはおもしろい試みだと思います。
また、気になる作品があったら見てみよう!!
ヾ(@°▽°@)ノ