葬式めぐりが趣味の若者イーノック(ヘンリー・ホッパー。デニス・ホッパーの息子さんらしいよ!)は、
ガンで亡くなった子のお葬式で、
アナベル(ミア・ワシコウスカ)に出会います。
ダーウィンと生態学に興味のあるユニークな彼女に、彼はだんだん惹かれていきますが、
彼女はガンで余命いくばくもないのでした…
僕が苦手な“病気の人が残り少ない余命でがんばる”系ストーリー…
病気の人が頑張るのが悪いんじゃないんですよ。
ただ、映画の展開として安易だと思う。
人が死んだら悲しいのはあたりまえ。
ずっと生きていく方が何倍も複雑だし、大変なんだよ。
だから、余命わずかの病気の人が登場するストーリーって、
簡単にお涙頂戴って感じで、
すごくいやなんだ…
しかもここ数年やたらに多いしね、そういう映画。
正直うんざり。
たとえば、本気で病気の人を描きたいなら、
糖尿病と一生付き合っていかないといけない人の話とかつくれよって思う。
こんだけグチっておいて(^皿^)、
それでも見に行ったのは、
ガス・ヴァン・サント監督だったからと、
加瀬亮扮する幽霊が見たくて。
![へっぽこハンター日記-20111214_1049394.jpg](https://stat.ameba.jp/user_images/20120109/18/winchesterbros/6c/fc/j/t02200242_0300033011725488856.jpg?caw=800)
イーノックは自動車事故で両親を亡くしており、
それで自分も死にかけ、
目覚めたときから特攻隊の幽霊・ヒロシが見えるようになってるんです。
周囲に心を閉ざしてる彼の唯一の話し相手がこのヒロシ。
こう書くと、悲愴なかんじですが、
ヒロシとイーノックのやり取りは軽妙で、
ゲームしたりいたずらしたりする、ふつうの同居人みたいなかんじ。
序盤はそんなかんじなんで、
なんかちょっと期待はずれか?と思ってたけど、
話が進むにつれ、
ちょっとずつ変化が。
もうすぐ死ぬ彼女と遊びで付き合おうとしてるならやめなさいとアドバイスするヒロシ、
彼女が軽く口にしたナガサキという言葉で傷ついたヒロシを慰めようとするイーノック。
ほんまに、親友なんやな、このふたり…
で、どうして、君は成仏できない?と思うようになって、
なんかすごくヒロシの言動にグッと来るように。
ラスト間近、その理由のシーンでめちゃ泣いたよ…
また、こういう話では、
死んでしまう人よりも、
遺される人のことを考えてしまって泣いてまうんですが、
ここでも、アナベルの姉・エリザベスが、
アナベルに気づかれないように病院のトイレで泣くシーンとか、
ハロウィンのお菓子を数えながらアナベルと話す彼女のシーンがすごくつらかった…。
父はいなくて、母はちょっとアル中。
しっかりしたお姉ちゃんが実質家の大黒柱なんです。
それにくらべると、
アナベルは好きに生きて、幸せだよなと思ってしまう…
ちょっと不思議な話ですが、
ガス・ヴァン・サントらしい、説明の少ないみずみずしい映像で、
ひとりの少年が大事な人たちの死と向き合う、
よい映画でした。
彼はこれからひとりで大丈夫か?と思わないでもないが、
心配してくれるおばさんや、
離れていても趣味が同じ(ハロウィンで特攻服のコスプレしてた(^皿^))オジーがいるからなんとかなるよ!
しかし、ガス・ヴァン・サント映画をシネコンで見る日が来るとはねえ…
世の中変わったもんだとしみじみしました。
(^^ゞ
![へっぽこハンター日記-eiennobokutachi-ab672.jpg](https://stat.ameba.jp/user_images/20120109/18/winchesterbros/57/b7/j/t02200326_0380056311725488865.jpg?caw=800)