試合の時間は、1クォーター(Q)15分で、4Qまで戦いますので、正味60分です。
日本の学生や社会人の場合には15分では試合時間が長すぎるということで、
1Q12分、合計48分で行われています。
たったそれだけ?と思われることでしょうが、この15分、12分はサッカーや
ラグビーのように試合がスタートしてから流れっぱなしの時間ではありません。
ルールによって、パスが失敗したときや、攻守が交代したとき、攻撃側のボールが
サイドラインを割って外に出た時には停まります。
そして次の攻撃が始まるときから再び動き出すので、実際には15分
の場合ですと1Qに約40分、12分の場合で約30分かかります。
アメリカンフットボールは11人で行います。サッカーやラグビーと違い、攻撃と守備が分かれています。ベンチに入れる人数は制限がありませんが、背番号は2桁までとなっているので、1~99の最大99人ということになります。また、背番号によって攻撃側のポジションが決められており、ボールを持つ事ができるのは1~49と80~99になります。
分業がもっとも進んだスポーツともいわれており、攻撃、守備、スペシャル(主にキック関係)の3つのチーム編成を取るチームが多いのも、アメリカンフットボールの特徴といえるでしょう。
今回は攻撃について説明します。
攻撃側の選手はボールを持てる選手(バックス、エンドなどと呼びます)と持てない選手(ラインメンと呼びます)に区別されていて、一般的には背番号でわかるようになっています。
すなわち
1~49・・・・バックス
という区分けです
バックスはおおまかにクォーターバック(QB)、ランニングバック(RB)、レシーバー(WR、SBなど)の3つのポジションに分かれています
QB:攻撃側の司令塔。センター(C)からボールを最初に受け取り、その攻撃を司ります。
RB:QBからボールを手渡しで受け取ったり、パスを受けたりして相手のエンドゾーンを目指
WR、SB:WRはワイドレシーバー、SBはスロットバックの略称です。主にQBからのパスを受
ラインはポジションによって3種類に分かれます。センター(C)、ガード(G)、
タックル(T)です。
ラインの役割は、ボールを前に進めるために、守備側の選手をブロックして、
バックスが通れるような道を作ることです。
Cのみが最初にボールに触ることができますが、他のラインはある条件がないと
ボールに触ることができません。
エンド(E)は広義としてはラインに含まれるのですが、文字通り、
攻撃側の第1列の両端に位置することからエンドと呼ばれ、
主にQBからパスされたボールを取って前進するか、自分サイドの
ランニングプレイの時に他のラインと一緒に守備側をブロックして、
バックスが通る道を作ることが役割になります。ラインに隣接してセットする
エンドをタイトエンド(TE)、離れてセットするエンドをスプリットエンド(SE)と
呼びます。
また、攻撃の体型によって呼び名があります。代表的なところを紹介しましょう
【Iフォーメーション】バックスがQBの後ろに1列に並ぶフォーメーションです。
SE T G C G T TE
○ ○○○○○○ WR
○ ○
QB
○UB(アップバック)
○TB(テイルバック)
【Tフォーメーション】バックスがQBの後方でラインに平行に並ぶフォーメーションです。
○ ○○○○○○
○ ○
FB(フルバック)
○ ○
HB(ハーフバック)
【ショットガンフォーメーション】パスに向いているフォーメーションです。
これらのフォーメーションからランニングプレーやパスプレーを繰り出し、4回の攻撃で
10yds以上進めば、新しい攻撃権を得られます。これを「第1ダウン獲得」または
「ファーストダウン獲得」と言います。日本では「フレッシュダウン」という言い方も
ありますが、これは和製英語でアメリカ人には通じません。選手は「フレッシュ取った」
などという使い方をします。
この攻撃を繰り返して相手のゴールラインをボールが越えれば得点になります。
ただし、攻撃側のゴール前近くで4回の攻撃を使い切ってしまうと攻守交替になり
相手側に攻撃権が移ってしまいます。そのため、自陣の奥での攻撃の場合には
3回の攻撃で10yds以上を獲得できるように攻撃プランを立てます。
それでも3回で10yds以上進まなかった場合には4回目の攻撃で「パント」を
蹴ることで、攻撃権を放棄する代わりに陣地を挽回するのです。
次回は守備側について説明します
④守備側のポジションと役割へ