攻撃の前進を停めるのが使命の守備。大まかに分けて、第1列目のディフェンスライン(DL)、2列目のラインバッカー(LB)、最後列のディフェンスバック(DB)となります。

D#


DLは、攻撃側のラインの正面や、ラインとラインの間にセットします。3人から6人のセットまであり、奇数の場合にはCの前に一人がセット、ノーズガード(NG)もしくはノーズタックル(NT)と呼ばれます。一番大外にセットするDLをディフェンスエンド(DE)、内側にセットするDLはディフェンスタックル(DT)と呼ばれます。ランニングプレイの守り、パスプレイの時のパッサーへのチャージが主な任務です。

                   dl

LBも2人から5人まで配置されることが多く、外側のLBをアウトサイドラインバッカー(OLB)、内側のLBをインサイドラインバッカー(ILB)と呼びます。3人配置される場合には真ん中のLBをミドルラインバッカー(MLB)と呼び、その頭文字から「マイク」とも呼ばれます。外側のLBはウィークサイド(攻撃側の人数が少ない側)を「ウイリー」、ストロングサイド(人数が多い側)を「サム」と呼んだりします。


LBは守備の司令塔的な存在で、守備全体の指示を出すことが多く、自らはランニングプレイへの守りもやれば、パスプレイへの守りにも参加しますし、2列目からプレイ開始と同時に攻撃側目掛けて突っ込み、パッサーをタックルしたり、ランニングプレイを素早く止めたりもします。これを「ブリッツ」といいます。

         lb



DBには大外のレシーバーをカバーするコーナーバック(CB)、守備の最終防御をになうセイフティ(S)、攻撃側の体型などで自由に位置を変えるフリーセイフティ(FS)があります。アメフトの醍醐味の一つであるパスプレイの守備は主に彼らの仕事になります。また、左右のフィールドに展開するオープンプレイの守りも行います。



cb


守備にも攻撃側と同じような体型があります。攻撃側のフォーメーションや相手チームの得意なプレーなどに応じて、さまざまな体型で対応します。代表的なものを上げてみましょう

基本的にDLの人数、LBの人数で守備体型の呼び名が決まります。


【3-4】DLを3人、LBを4人配置し、外側のLBはDEの役目も果たしたりします。学生、社会人を問わず、日本では一番用いられている守備体型です。ランプレイにもパスプレイにも適していますが、比較的パスプレイに対応した体型と言えるでしょう。

4-3

【4-3】DLを4人、LBを3人にした体型です。どちらかといえばランニングプレイに対応した体型ですが、MLB(マイク)が中央を一人で守る形になっているので、マイクに適材がいないと厳しいかもしれませんね。


4-3


【4-4】DL、LBとも4人です。昔日大が甲子園ボウルに出たときに、当時の篠竹監督が「当日は雨になる」と予測、この体型からLBをブリッツさせる守備で、甲子園の勝利を勝ち取ったという逸話のある体型です。その話からもわかるとおり、ランニングプレイには抜群の強みを発揮します。


4-4

このほかにも、ゴール前で敷かれる「8メンフロント」(DLを8人配置して、1ydも進ませないという体型)や3-4の外側のLBをDLにして配置する「5-2」などの体型があります。


スペシャルチームについては、この後お届けする「試合の流れ」の中でご紹介することにして、いよいよゲームの説明に入っていきましょう。