私がイギリスに来た時、夫の甥っ子2人は3歳半と2歳だった。
上の甥っ子はおばあちゃんにベッタリで、私も自分の英語に自信がないから自分から話しかける事もなく、距離がありながらの甥と叔母の少し気まずい空気が流れる感じであった。

下の甥っ子はまだ2歳で、私が英語を話せる話せないに関係なく、不思議な程になついてきた。
食事の時は必ず私の横に座りたがったし、膝の上に自然に乗って来て本を読んでくれとせがんだり、夜泣きしても長男夫婦は知らん顔で寝ていて、結局私が起きて寝かしつけるなど何度もあり、あっという間に甥っ子と叔母の関係が築けた。

しかし私は差別なく接して来たし、英語に少し余裕が出てきた当たりからは私から質問したりしながら会話を増やしたりしてきた。
それでも2人になると気まずくて、しかし上の甥っ子だけが数日泊まりに来たりもして、距離がよく詰められないままに18年が過ぎた。

2週間前にも甥っ子2人だけでうちに遊びに来たのであるが、今日は夫の兄と奥さん、上の甥っ子の3人でうちにきた。
私はいつものようにランチ担当で、夜は近所のパブに行くのが通例。
私はパラペーニョとブルーチーズのパン、スペイン風チキン、シーフードサラダ、水餃子、レモンポテトサラダ&ソーセージのミートボールを作った。

甥っ子が「もう本当、どうやったら昼までにこの料理が作れるの?」と爆笑した。
私は甥っ子に「私のこと知ってるやろ~‼️作り過ぎる病気やねん」と笑った。
甥っ子が珍しく私に話しかけて笑った。
ギクシャクした感じがなく、それはとても自然な会話だと感じた。

夕方まで皆で遊んだり話したりして、紅茶を飲んだりクッキーを食べたりしながら、あーだこーだと話したりして過ごし、夕飯を終え見送る時、私は甥っ子に「クリスマスに会うの楽しみにしてるからね」と言うと、甥っ子は「本当、申し訳ないくらい料理が楽しみで来てるようなもの。楽しみ過ぎて悪いくらい」と笑いながら車のドアを開けた。

そのまま後部座席に座るのかと思ったら、甥っ子が私に「ありがとう、本当に」と言いハグをしに歩いて来た。
初めてこの子とハグをした。
3歳で初めて会い、今の今までハグをしたことが一度もなかった。
私は今日やっと甥っ子と叔母になれた気がした。

何故に今日は甥っ子がそうしたのかわからない。
上手く言えないが、不思議な程に甥っ子と過ごす時間が自然であった。
あと3か月でクリスマス季である。
甥っ子が喜ぶ料理をまた考える楽しみが増えた。
ずっとこのまま微妙な距離のある甥と叔母でいくのだと思っていたから、何だか嬉しい。
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