昨日は息子の小学生最後の日だった。
いつも通り弁当を持って学校に行った。
日本と違い、実にカジュアルな卒業である。

数日前、夫が保護者から貰ったケーキを持ち帰った。
チョコレートスポンジの上にレモンクリームが重なり、更にラズベリークリーム、ほんの少しバナナのババロアが重なった実に綺麗なケーキだった。
イギリスケーキと違い、バターが一切入っていないクリームは軽くてフルーティー、ああ久々にこんな手の込んだ新鮮さのある軽いケーキを食べた。

保護者はチェコから来た家族で、以前夫が担任を持った事がある。
もう今は担任を持っていないが、毎年必ず夏休み前になるとチェコのチョコレートをくれる。
「お世話になったから感謝の気持ち」とお母さんは言う。

チェコから移住してすぐに子供が入学。
夫は夜勤もある工場勤務で、奥さんは英語があまり得意でなかった。
そのため学校の様々な事が分からず、担任だった夫やアシスタント教員が声かけをして分かりやすく説明したりしていた。
それを「親切にして貰った事を忘れない」と未だに感謝してくださっている。
去年ポーランドに行った後、そのお母さんに夫が「ポーランドのケーキが美味しくて、妻がポーランドに住みたい」と言った話をしたらしい。
次はチェコに行こうと思うと話したら、お母さんが今回「チェコのケーキも是非食べて欲しい」と私に丸ごと焼いて来てくれたのである。

イギリスに来て友達も出来ず、話しかけられても上手く返せず、ついつい静かに我が子を見送る送り迎えの時に、幼稚園や学校のスタッフ、クラスメイトのお母さんから話しかけられたら、それは一生感謝するほど忘れないものとなる。
有り難う、私の英語力を理解した上で親切にしてくれて有り難うと、まるで神様に出会ったように嬉しく有難いのである。

この1年で、カーライルはこれまで数年に1度見るか見ないかのシリア系やアフリカ系黒人を、頻繁に見かけるようになった。
非国際田舎町カーライルも、遂に国際色が入って来たのは間違いない。
10年先、多分もっと学校には国際色豊かな生徒が入っていることかと思う。
出来れば美味しいパン屋とケーキ屋があれば言うことなし。
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