先日、日本のニュースで8才の男の子がキャンプに参加し、キャンプに参加していた男性スタッフから性的被害を受けたことを9ヵ月もの間、誰にも言えずに苦しんだのを、お母さんが息子さん本人から聞き出したニュースを見た。
聞いているだけであまりにも辛く、どれほど恐怖であったかと思うと、たまらなかった。
加害者の男はたった4年の服役でまた世に出てくる。

日本は子供に関わる仕事に就く歳、警察に過去の犯罪歴の有無の証明書を必要としないのが問題だと、ニュースで言っていた。
スイミングスクールなど日本の場合、コーチが子供と一緒に水に入り指導のために手足に触れねばならない。
であるから、余計にそのチェックは必須にせねばならないが、今はその制度がないから、確かにそうだなと思った。

私がイギリスで初めて就いた仕事が保育園だった。
ポリスチェックと呼ばれる証明書を出さねば、子供に関わる職場で働く事は出来ない。
私はイギリスに来たばかりであったから、イギリス政府から日本に私の過去に犯罪歴がないかを問い合わせ、その証明書が出るまで2ヶ月ほどを要した。
なるほど、さすが先進国だと感心した。
オムツを換えたりするから、これは採用する側も預ける側にも安心材料の一つになるなと感じた。
しかし、それでも小児愛者が目的を持って子供に関する仕事に就いているのを完ぺきには見抜けない。

先日来ていた義兄は、大学の夏休みになるとアメリカのキャンプ場で働いていた。
アメリカは夏休みに子供をキャンプに出すのは、昔から有名な話である。
義兄は普通家庭の子供のキャンプに足掛け5年行っていた。
ちなみに、同僚は貧困層家庭の子供が集まるキャンプに大学の夏休みには必ず行っていたらしい。
また、別の同僚は金持ちの子供のキャンプにバイトに行っていたらしく、内容が普通家庭の子供のキャンプと全く違ったから引いてしまうくらい驚いた。

そこでは、自分の担当する子供達とバンガローで寝起きを
共にするのだという。
私は同僚にこの8歳の少年の話をした。
何故なら今日から1週間、息子が林間学校に行ったからである。
不安になった。
私は同僚に「アメリカはあれだけ各地で子供キャンプがあるが、そういう事案はないのか?」と聞いた。
同僚は「ゼロではない」と言った。

学校から行く場合、先生が生徒と同部屋になることは通常ない。
が、学校ではない民間のキャンプの場合は子供とスタッフが一緒になることはあると教員である義兄から聞いた。

今回のニュースを見ながら、私は思った。
どの保護者も、そんな事は100%起こらないとして参加させる。
それが民間のキャンプであれ、スイミングスクールであれ、あるわけがないと疑うことなく参加させる。
少なくとも私はそうだった、このニュースを見るまでは。

イギリスで子育てしている私は、スイミングスクールであれ、どのお稽古も付いていなければならないから見ているが、先生やスタッフをそんな風に疑った事もない。
でも実際には起きている。

信頼しきっていて預ける保護者と、裏切る大人がいて、これはどうやって防げるのかと、少年のあの悲痛な声がいつまでも耳から離れない。
4年の服役で性癖、趣向は変わるはずがない。
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