前の職場で1年半ガッツリ育てたスタッフSと私は今また同じ職場にいる。
それまで酪農でしか働いたことのなかった彼女であるが、私は彼女の真面目さ、賢さ、謙虚さ、責任感を見逃さず、ピッタリ張り付いて育てたら、あっという間に育った。
そうして今の職場では、彼女にとってはかなり大きなプレッシャーとチャンスになる役職を得た。

イギリスの会社…というと語弊がある…と思う。
ちゃんとしている会社もある…はず…
しかし、今の私の会社は研修生度も研修期間も何もない。
未経験にはわからんまま手探りで見つけていかねばならない部分がある。
自ら学ぶ人間なら余計にそれが納得出来ない。

今日はエリアマネージャーという、まあまあ偉いオッサンが来た。
売り場の商品配列から見せ方まで何もかも「ショッキング」に駄目だと言った。
しかし、この商品配列と見せ方全ては、先々週ロンドン本社から来たレイアウト専門の部署の人が3日かけて変えて帰ってこれである。
つまり、本社のレイアウト専門部署の人と、エリアマネージャーのオッサンの好みが違うのか知らんが、全部アカンとオッサンは言うたから、売り場の私らはどっちを聞いて良いのかわからん。
オッサンはSに「君のセンスはショッキング」だと言い帰った。

Sのセンスではない。
本社のレイアウト専門部署の人のセンスである。
Sには気にするなと言ったが、センスがないと言われて傷付いたのは分かった。
怒りながら泣いた。
私は、この悔し泣きは私が救わなアカンと思った。
意味不明なストレスで泣くスタッフのアホみたいな涙とはわけが違う。

オッサンのいう通りにすると、例えばアクセサリー売り場がガチャガチャに見える。
しかしオッサンは「それが正解」やと言うた。
ほんまやな…オッサン言うたで…
私は泣くSに「よっしゃ分かった。やったろやないかい。オッサンが言うたようにレイアウト変えたろやないかい!付いといで!」と言い、オッサンの正解のガチャガチャレイアウトに変えた。
私は副店長を呼び、このガチャガチャレイアウトを写真に撮り、ロンドンの本社のレイアウト専用の人に見てもらうよう指示した。
どっちがどう言うか、答えてもらおうやないかい!と指示。
20歳の副店長は「わかりました」とすぐにやってくれた。

夕方、先に帰宅した私にSからメールがきた。
「私を育ててくれてありがとう。これからも私を育てて下さい」と書いてあった。
この歳だから見せられる説得力とベテランパワー。
歳を取るのも悪くない。
頻尿と腰痛はあるけども…
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