義母が暮らしていた家を買った私達。
一度は売りに出し、あるインド人医師の家族から買いたいと打診があった際、とにかく値切ってきた。
仲介をお願いしていた不動産屋の方がコレにウンザリし、夫に「あんな良い家、値切られて値段を下げて売る必要ない。自分達が住んだら?」と言われた。

義母は遺言状に、自分亡き後は家と銀行残高は全て三人の息子がきっちり三分割してもらうようにと書き残した。
誰が最後まで世話をしようとも、後腐れなく三分割と。
であるから、義母の家を売りに出し始めた初日から、夫の兄から、一体いつにそれがいくらで売れるのか…できるだけ高値で売って、できるだけ早く金を送金しろと催促だけはあった。

結局、不動産屋が付けた値段と、それとは別に家の欠陥などを調べて本当の家の値段を出してくれる専門家の方にもお願いして出してもらった値段で売りに出し、その金額で私達は家を買い、兄達に支払った。
お母さんの住んでいた家を買うなら安くで良いよ…とはならなかった。
最後まで世話になったね、ありがとう…とは言ったが、遺産相続は別である。

何が情けなかったかと言うと、義母の遺産相続のお金でオーストラリアの嫁が豊胸、フェイスリフト、唇増大手術を受け、インドネシアに別荘を買ったことだろうか…
それから自分の写真集を作り、自ら営業する美容院に置いており、販売している。
それに200万かけたと言うから、そこは相当笑わせてもらった。
去年、義兄が来たときにきいたが、体は実物の半分のサイズに編集してもらい、シワは全て修正してもらったと言っていた。
整形手術を重ね、自分の老いを認められない女の手術費用となった事を義母は空から笑うだろうか…

そんな経緯のある家を買い、義母が飼っていた犬を連れて越した。
犬にしてみれば、もともと住んでいた家に戻ったわけであるが、義母は寝るときだけ犬を自分のベッドの横に犬ベッドを置き寝ていた。
一人が怖かった義母は、犬と寝ていた。

が、私と夫のルールは犬を2階には上げないということ。
であるから、犬にダメだと教えてからは2階には絶対に行かない。

そんな犬が、この家で過ごす最初のクリスマスの日の昼、2階で糞をした。
怯えて震え、2階に隠れていた犬。
それから丸一年後のクリスマス、再び2階で糞をした。
年に一度、その日だけ2階で糞をする。
そして今年のクリスマス、私は夫に「もしかしたら今年もやるかもよ…」と注意を払い、2階へのドアを閉めておいた。
すると今年は一階のリビングにある義母が座っていた専用のソファにわざわざ飛び乗り放尿、再び義父が座っていた特注のソファの上に上がって放尿した。
日頃、ソファに座らせることは禁じているから、わざわざ何故ソファに登ったのか…
夫曰く、12歳を過ぎてからソファに登ることも出来なくなったと言っていた。
毎年、この日だけやる。
なんだか分からない、しかし毎年一度の儀式。
犬は今日がクリスマスだと分かるのだろうか…
話せるなら聞いてみたい…
何故あなたはソレを12月25日の昼にするのか?と。
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