2ヶ月前に入ったアルバイトさんAがいる。
大学院を終え、1社履歴書を送ったが駄目で「もう、エエわ…」と思い、何故だかうちの職場に来た。
彼女にとって初めての仕事である。

研修は終えた。
同時に入った4人のうち、3人は成長が確実にみられる中、このAだけは文句が少し多く、動きたがらず、先輩スタッフを苛つかせている。
「アカンわ、あのこ…」とスタッフから全く人気が無い副店長は投げた。
が、私と店長は決めかねている。

客が尋ねた商品を普通、私らスタッフが取りに行かねばならないのを、A は「あそこにあります」客に取りに行かせる。
また、レジで客が「やっぱり要らん」と買わない商品も「戻しといて下さい」と渡す。
目の前で客がバッグを落とした際、またいで歩いて行った。
拾わんかーい!と言う間もなかった。
常識の面から言うなら「言うてエエ事、悪い事が分からんのか?」とスタッフから取られるが、私は恐らくアルバイト経験の無いAは
接客業が何か分からん故に言ってしまっていて、何から何まで細かい指導せなアカン子じゃないかと思った。

一応、2ヶ月研修に付いたが、いつも通りの研修を終え、あまりに覚えていないことも多く、時間のかかる子やと思うから、レッドカードを出す前に、もう一度私に預けて育てさせてくれと店長に話した。
それでも動かんなら、もうしゃーない。
店長はAを呼び「客が来ても無視、挨拶もしない、あれは嫌、これは嫌…このままだとクビにしなくちゃいけない」と本人に伝えた。
が、私がもう一度研修をし直し、細かく細かく注意していくと言ってくれているが頑張る気持ちはあるか?無いなら辞めてくれて構わないと伝えると、本人は「頑張る」と言ったらしい。

というわけで、今日から私はAに張り付いて仕事を見ている。
当たり前であるが、今日は売り場をよく歩いていた。
日頃、銅像のように動かんから、今日は頑張って見えたが、よくよく考えたら当たり前のことである。

夏までにAを仕上げねばならない。
表情は豊かではないし、話し言葉のトーンに抑揚がないから、感情が読みにくい。
何となく見放す事は出来なかった…
歳のせいか…
人気ブログランキングへ