6月を迎える数週間前、カーライル近郊は「ジプシー」人口が一気に増える。
と言うのも年に一度、この近郊でジプシー達にとって最も大きなイベントが開催される為、英国全土からジプシーが終結し、彼らのビジネスである馬の売買などが行われるのである。
そのため、彼らの住まいであるキャンピングカーでやって来て、数週間滞在するのである。

彼らは現金商売で自営しているため、生活は豊かである。
税金を払わないからである。
家を持たず、銀行口座も持たない。
全て現金一括で買う。
着る物と車は高級志向であるも、その一部には万引きしては別の町に行き、その万引きした物を同じ系列店で返品して金に換えたりする者もいる。

先週、4組の家族が私の職場のお店に来た。
ジプシーは見た目ですぐ分かる。
ラルフローレンやアルマーニを着て高級志向をアピールするが、歯医者に行かないので歯がない人も多い。
女性は独特であるため、見慣れた人にはすぐわかる。

4組はバラバラに来た。
ボロボロの商品をレジに持って来て「これ5週前にここで買った。糸がほつれ穴が開いたので、現金で返金してほしい。もしくは新しい商品と無料で交換してくれ」と言う。

商品を見ると明らかにうちの会社の商品であるも、カーライルでは取り扱っていない商品であり、「5週間前にここで買った」のは明らかに嘘であり、5週間ではこんな状態にならないのも明らかであった。
見た目もジプシーで、「おっと・・この時期が来たか」と私は思う。

私が対応したが女は納得しない。
店長を呼び、女はアッサリ諦めた。
あわよくば金に出来ればとでも思ったのであろう。
結局、新しい商品を買って帰った。

この時期、とにかくこういうジプシーで溢れる。
万引きは特に注意し、返品交換にも応じない徹底姿勢を貫かねば、再びやって来るのである。

9年前、私はカーライルにやってきた。
当時、ジプシーの存在そのものを初めて見たが、当時は対応するのも怖かった。
今は見慣れた存在となり、おかげで対応も出来るようになった。
慣れとは恐ろしいモンである。

人気ブログランキングへ