来年の1月から、湖水地方の小学校に教頭として就任する事になった旦那。
今まで勤めた学校は、年末で終わる事になる。

今度の学校は、今勤めている学校より3倍大きい。
学校内に特別学級は無いが、各クラスに平均4~5人の障害を持つ子供がいる。
車椅子で呼吸器を付けて授業を受ける子供、身体や心的障害を持つ子供などである。
小学6年生のクラスは、重度の自閉症を持つ児童が5人いる。

特別擁護学校ではなく、普通の学校で可能な限り普通の学校生活を希望する保護者と児童が通えるよう、受け入れ態勢がなされた小学校である。

私の職場に、自閉症の専門家になりたい学生がいる。
現在、大学6年生で、年内で卒業予定らしい。
いつしか、そんな彼女と仲良くなり、毎週ではないが、時々の土曜の午後、市民プールで待ち合わせし、泳ぎに行ったり(ほぼ喋っているが・・)している。
時に彼女のお父さんも来て、3人でクロール1回しては喋り・・を繰り返している。

先日、いつものように水の中で立ち話をしていたら、彼女がこんな事を言った。
「今ネットが発達し、世の中の人にも発達障害が何たるやという事への理解が深まったように思う。しかし、ネットは誰が書き込んでいるのかも知れず、ましてや医療知識をそこから鵜呑みにするのは危険だと思う」と、続いてこんな話をしてくれた。

先日、とある親が、児童の発達障害専門家に連絡してきた。
「家に来て、子供の様子を見てくれ」と言う。
専門家は家に赴いた。
しかし子供の様子を見ても、特別に感じられるものはない。
そこで「なぜ、お子さんが発達障害だとお思いですか?」と専門家が聞いた。

親は言った。
「この子は、テーブルの上に置いてあったチョコレートを黙って盗み食いしました。叱っても、また置いてあったチョコレートを翌日に食べました。このまま放っておけば、犯罪を犯す事になりかねない。どうか治療してほしい」と真剣に訴えた。

そんなん・・4歳児やったら、目の前にある甘くて美味しいチョコレートに手を伸ばすんちゃう?と、誰もが思うであろう。
テーブルに置いてるからやんか・・と思うであろう。

しかし、この親はネットで色々と調べ過ぎ、そんな事をするのは障害があるからだと思い込んでしまったのである。

専門家は、「発達障害が仮にあるとしても、それを未然に防ぐ事はできない」と説明。
「そう判断される日が来るとして、そこからどうするかは、その時の子供の状態によってベストの治療法を考えるために専門家がいる。」と説明したという。

そういえば、私が最初の子供を産む時、病院見学に来ていた同じく臨月の女が、「本で読んだんですけど、陣痛というのは・・」「本に書いてあったんですが、帝王切開にになる可能性は・・」と、助産師暦30年のベテラン助産師に偉そうにウンチクをタレていた女を思い出す。
助産師は一言・・「本を読んでも正解などありませんよ」と言い放った。

本やネットで得られる知識とそうでないものとがある。
これまでの経験と勉強して来た事を、今度の学校で発揮できれば・・という思いから教頭職に応募。
採用された本人が、一番驚いていたのであった。

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