土曜日の午後、義父の病院から専門家による家庭訪問があった。
5年前から、義父は糖尿病によるインスリンの投与と、無料のエクササイズ、ダイエット食品の提供を受けている。
しかしながら、当の本人がきちんとそれに通わない事、ダイエット食品+通常の高カロリー食を食べる事から、「本人のやる気が見られないのなら、一定の薬剤に対する自己負担と、ダイエット食&エクササイズの中止を、病院から申し受けた。

ダイエット食とエクササイズは中止したが、義父が1日に飲む錠剤の数は、何と14粒。
糖尿であらゆる肝機能が悪くなるから、色んな薬剤を1日に飲まなければならないのである。
これを無料で負担する政府としては、かなりの金額の負担となり、それは国民の税金負担にもなる。

このことから、病院側から「真剣なダイエット」をするか、もしくは減量手術とされる「胃のバイパス手術」を受けるか、どちらかを選択するように迫られた。

胃のバイパス手術で、胃に小袋をつくることによって、食事摂取量を制限するとともに、吸収を悪くすることによってエネルギーの取り込みをさらに少なくすることで、体重を減らすというもの。
糖尿の義父に、コレが適合するかどうかは、今後の検査で明確になるのであるが、今回は食事療法の専門家が家庭訪問をし、義父の食事の様子や、家族の協力がどこまで得られるかなどを見に来た。

専門家が持ってきた食事療法のメニューには、実に多くの日本食が掲載されている。
丁寧に、何処の店で日本食が手に入るなども書かれてある。

義父が食べていけないのは、日本でも糖尿患者に多く知られている「糖質ダイエット」の基本。
米、麺類、パンなどの小麦類、根菜類、果物類、お菓子類を食べない事。
これ以外なら、基本的には食べてよい。

しかし、義父はパン、スコーンなどの小麦類、じゃがいもが大好物である。
そのため、これを絶つのは無理と、初めから公言した。

担当の方は、私が日本人と言う事から、私が義父の家に1年同居して、3食全てを日本食にするのは無理かと尋ねた。
義父が本気で取り組み、私に内緒で外で他のものを食べない強い意志があるのなら、それも考えても良いと答えた。
しかし、当の本人の義父が「そりゃあ、たまには違うものを食べたいから、レストランにも行くさ」と答えた。

最初からコレでは、何の期待も得られない。
義母と旦那が「心理療法は受けられませんか?」と聞いたが、ダイエットに関する心理療法はないとの事であった。

こうなると、もうバイパス手術しかない。
一応、検査が来月末にあり、それからの決定になるらしい。
これを知っても、今だオーストラリアの嫁からは、「その手術が終わったら、パーティに参加できなかった罪滅ぼしとして来てよ」と言われている義父。

ただ家族としては、1日でも長生きしてくれれば・・と願うだけなのであるが、なかなか本人には伝わらないのである。

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