クリスマス前になると、「今年はどう過ごすのか?」という質問が飛び交う。イギリスに自分か旦那の親がいるのなら、共に過ごすのがシキタリであるから、本来なら、当然、旦那の親の家に行き、共に食事をしなければいけない。

しかしながら、クリスマスという1日の休みに、マンチェスターまで往復4時間かけて行き、仲良くもない兄&嫁&子供とプレゼント交換し、伝統料理であるターキー(七面鳥)を食べる事に、私も旦那もあまり意味を見出せない。
だから、「1日の休みなので・・」と言い、毎年行かない事にしている。

会社の人に「どう過ごすのか?」と聞かれた時は「宗教的にクリスマスを祝えない」と答えるようにしている。
そうすると、それ以上、質問が来ないからである。

日本に住んでいると、あまり「宗教」について考えたり、違いに直面する事はないが、私が10年ほど前オーストラリアに住んでいた頃の事。
当時、小学校で日本語を教えていた。

この学校は、日本の「姫路」と姉妹都市を結んでいたから、クリスマス前になると、日本の小学校と、オーストラリアのこの学校の子供達が、クリスマスカードと年賀状を交換する決まりになっていた。

1年間、日本語を勉強してきた子供たちは、下手ながらも日本語で「メリークリスマス」とカードに書き、自分の名前をカタカナで書くのを楽しみにしていた。

私がここで初めて知ったのが、「エホバの証人」と呼ばれる宗教であった。
クラスの中で、1人だけカードを作らず、ノートに絵を描いている子がいたので、先生に「何故か?」と聞いたことがあった。
恥ずかしながら、私はこの時24歳だったにも関わらず、クリスマスを祝ってはいけない宗教があることを、知らなかったのである。

「彼の宗教は、クリスマスも誕生日も祝えないの」と教えてもらい、初めて知ったのである。

今、私の旦那が小学校の教師をしている。
11月ごろから、クリスマスについての歴史の時間、絵本の時間、人形劇を見る時間、歌の時間、カードを作る時間など、クリスマスに関する授業が2ヶ月続く。

旦那のクラスにも、このエホバの子がいるから、11月から1月の新学期までは、小学校に来ない。
クリスマスの歌も耳にしてはいけないから、学校にいられないのである。

日本にいると、なかなか知りえない事も、こうした色んな宗教が混ざった外国に住んでいると、自分もやはり仏教の国で育ったのかなと思う。
イギリス人ほど、クリスマスに興奮を覚えないのは、仏教の国で育ったからなのか・・

まあ、そう言いつつも、街の中のデコレーションは綺麗なので良い。