10年前、私は「ワーキングホリデー」と言う名前も知らなかった。
留学など、「金持ちの子供がするもの」とだけ漠然と思っていて、夢に見たこともなかった。

当時、私が働いていた職場に、外語大学を卒業した子がいた。
彼女が「ワーホリに行きたいから、お金を貯めたい」という話をしたので、そこで初めて、親が金持ちでなくとも、英語が話せなくとも、金が100万あれば留学に行けるのだと、知ったのであった。

ただ、別に英語が得意でもなく、外国に住みたかったわけでもなかった私が、ナゼか「行ってみよう」と思ったのである。
春・夏・秋・冬。
どうせ、コンパと遊びで終る1年を、見知らぬ外国で過ごしたなら、そこで何を発見できるのか!!と、思ったのである。

で、その外語大学の英語が出来る同僚に、「どこの国が安全で、安く住めるか?」と聞いたところ、「オーストラリア」か「ニュージーランド」と答えが出たのである。

ただ、ニュージーランドは、英語のなまりがキツイから、あまり勧めないという事で、オーストラリアになっただけの話である。
恥ずかしながら、私はオーストラリアに着いて3日経つまで、日本から南に位置する国であることも、冬があることも知らなかったのである。

夏服しか持って行かなかったから、母にパッチとババシャツを送ってもらったのを覚えている。

まず、海外に住んで最初の敵は何か・・・
そう、語学とホームシック。これしかない。
何と言えばいいのか分からない、何と言われているのか分からない。
しかし、これに悩んでいても、分からないのだからショーガナイ。
時間が解決してくれるのである。

私はこれまで、自分が強い人間だと思っていた。
ところが、ホームシックは突然やってくる。
これも同じく、時間が経過すると共に、泣かなくなっていくのである。

良い人は沢山いるし、助けてくれる人も沢山いる。
しかしながら、屈辱的な言葉を言う人もいる。

私がオーストラリアに行くとなったとき、何人もの友人が言った。
「今から行ってどうする気?」「帰ってきて、何になるつもり?」「24歳って遅すぎじゃない?」等など。

私は、人を羨んだり、後悔するのが嫌いである。
「私も行きたかったけど、仕事があって行けなかった」とか「彼氏から反対された」とか、言い訳がましい事は、言うのも聞くのも嫌いである。
行かなかったのは自分のせい。
行ったなら、自分の責任。

留学や海外生活など、耐えてまでする必要はないのである。
合わないなら、帰れば良いだけの事。
そう思って行ったオーストラリアは、楽しすぎた。
3ヶ月で15キロ太ったのが、その証拠である。
笑えないが、新品のジーパンが、ケツから千切れたのである。
漫画のように、スローモーションで、「ブチッ!!」と二つに割れたのである。

イギリス生活は、オーストラリア生活とは違い、楽しさよりも苦しさの方が、今は大きい。
プライドも高いし、ましてや外人のいない田舎町などに住めば、宇宙人扱いである。

ただこれも、私にとっては憧れの海外生活を、本当の目線から見れる、発見の場であることも事実である。

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